November 13, 2021 | Design, Architecture | casabrutus.com
2017年東京、〈国立新美術館〉からスタートした世界巡回展は、パリ、ミラノを経て2021年3月上海に上陸。コロナ下にありながら80日間で15万人を動員した。見逃した多くの人のリクエストに応え、2021年10月12日より北京会場での展覧がスタート。1国1会場が原則の巡回展ながら、中国ではあまりの人気に特例の2会場開催となった。
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北京会場の展示は、正面入り口のホールに設置された〈ユネスコ瞑想の空間〉(1995)から始まる。コンクリートの円筒状、33㎡の空間を原寸で初再現、北京会場の目玉の一つだ。訪れた観客は円筒のなかの空洞に佇み、安藤建築の深い精神性を体感する。
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続いて〈光の教会〉(1989)〈水の教会〉(1988)の再現展示へ。これら3建築作品の体験に加え、本展では、半世紀にわたる安藤の活動を、ドローイング、模型、図面、安藤自身が撮影した建築写真、映像など多数の資料で巡っていく。
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北京会場の中国側キュレーターは、馬衛東(マ・ウェイトン)。2005年より安藤忠雄建築研究所の中国におけるパートナーである「文築国際」の創始者だ。そのキュレーションにより北京会場では、2000年以降、安藤が中国の15都市以上で展開する様々なプロジェクトも展示される。〈上海保利大劇院〉(2014)〈良渚文化芸術センター〉(2015)〈和美術館〉(2020)など、中国ですでに親しまれている安藤建築に加え、来年竣工予定の〈詩の教会〉など最新動向まで。安藤の中国での壮大なチャレンジを伝える。
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オープニングイベントには安藤自身がオンラインで登場、「展覧会を通して、それぞれが建築、デザイン、そして自身の未来を思考して欲しい」と中国での展覧会の目的を語りかけた。2000年代から始まった中国の建築ブームは今、まさに青春期。「青春」の精神をテーマとする北京展が次世代に大きな刺激を与えることだろう。