April 24, 2021 | Architecture, Culture | casabrutus.com
2021年4月23日、フランス大使館にて叙勲式が執り行われ、建築家の安藤忠雄がフランスのレジオン・ドヌール勲章コマンドゥールを受章した。
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建築家の安藤忠雄が、フランスのレジオン・ドヌール勲章のコマンドゥールに叙された。フランスの最高勲章とされるレジオン・ドヌール勲章はナポレオン・ボナパルトによって1802年に創設。文化・科学・産業・商業・創作活動などで卓越した功績を残した人物に与えられ、日本の文化人では、これまで小説家の大江健三郎(コマンドゥール、2002年)、三宅一生(コマンドゥール、2016年)らが受章している。シュヴァリエ(5等)・オフィシエ(4等)・コマンドゥール(3等)・グラントフィシエ(2等)・グランクロワ(1等)が存在し、安藤は2005年のシュヴァリエに続く受章。
叙勲式を執り行ったフィリップ・セトン駐日フランス大使は「安藤忠雄という建築家が手がけた作品は、新しい建築の潮流を生み出すことに大きく貢献し、私たちの街の風景に宝石箱のような建物を贈ってくれた」とその功績を称える。
安藤は、受章の栄誉に「私はフランスという文化国家に憧れ、また、ル・コルビュジエが闘い続ける姿に感銘を受け、1965年にシベリア鉄道でパリへ行きました。その後、1982年にフランスの地で展覧会をさせて頂き、その後ポンピドゥーでも個展を開催しました。少しずつチャンスや縁を頂きながら憧れのフランスで挑戦をしてきました」と述べた。安藤がフランスで手がけた作品として、ユネスコ本部にある〈瞑想の空間〉、シャトー・ラ・コストの〈アートセンター〉などが挙げられるほか、現代美術館〈ブルス・ドゥ・コメルス〉が開館間近だ。
「ユネスコ本部の〈瞑想の空間〉は円筒形をしておりますが、床に使用されている御影石は、1945年8月6日の広島原爆の被爆石。また、〈ブルス・ドゥ・コメルス〉も歴史的建造物の中に円筒形の建築を挿入しました。建築を通じて、地球は一つであるというメッセージを発信し続けたい」と言葉を寄せた。
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