June 10, 2016 | Architecture, Art, Design | a wall newspaper | photo_Kenya Abe text_Wakako Miyake ©DGT.
パリから帰国中の田根剛は超多忙だ。その理由は、国内2か所で展示があるから。その詳細をインタビューしました。
![](http://casabrutus.com/wp-content/uploads/2017/06/0610tane1_666.jpg)
「昨年、旭川デザインウィークが立ち上がったと聞いて、何か関われたらいいな、と思っていたら2年目でいきなり連絡が来た。もう、すぐに引き受けました。ただ、こちらからの条件もあり、それは家具の工場を見学したいということ」
![](http://casabrutus.com/wp-content/uploads/2017/06/0610tane2_666.jpg)
旭川デザインウィーク
6月22日〜26日
旭川家具センター
「それで工場見学をさせていただいたのですが、工程がとても面白かった。また、家具というのは継いだり組み合わせて完成するプロダクトなのですが、それぞれのパーツを職人が次の工程のために1ダースや10個単位で効率よく並べているんです。その積み方がとても美しく、印象的でした」
今回の展示空間はそこからインスピレーションを受けたとのこと。椅子を作るための全パーツがワイヤーでつるされ、来場者はその中を歩ける。さらにはパーツの影が完成された椅子に見えるよう光の当て方を工夫するなど、光と影の演出も楽しむことができる。
![](http://casabrutus.com/wp-content/uploads/2017/06/0610tane3_666.jpg)
ポンピドゥー・センター傑作展
6月11日〜9月22日
東京都美術館 企画展示室
1913年はデュシャンの《自転車の車輪》など、1906〜77年の各年ごとに1作家の1作品を取り上げる。ピカソやマティスもいる、20世紀美術を一望する展示だ。「1フロアではなく、3つのフロアに分かれているので難しいといえば難しいのですが、その分、面白いこともできたと思います」 ©Succession Marcel Duchamp/ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2016 E2050 Photo: ©Christian Bahier et Philippe Migeat-Centre Pompidou, MNAM-CCI
田根が空間をつくる際に最も大切にしているのが「思いを形にしていくこと」だという。旭川がやろうとしている思いや記憶、美術館が体験してほしい、アート観賞の方法。「それらをどう物質に、また空間に変えられるかというのが僕らの仕事だと思っています」
![](http://casabrutus.com/wp-content/uploads/2017/06/0610tane5_240.jpg)