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デザインアイテムが集結! ドイツ「アンビエンテ」リポート。

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March 29, 2016 | Design, Architecture | casabrutus.com | text_Miki Honma

「アンビエンテ」は、ドイツ・フランクフルトで開催される生活雑貨の世界最大の見本市。テーブルウェアやキッチンツール、インテリア小物やテキスタイル、アクセサリーなどのアイテムを集めた、巨大ライフスタイルショップのような場所なのだ。

「トレンド2016」。
「ミラノサローネ」は家具が強いのに対し、こちらはとにかく生活に密着したデザインが溢れている。今年は96か国から4,387社が出展し、143か国からバイヤー13万7,000人が集まった。日本で話題のあの店、この百貨店……人気ショップの商品の大半はここで買い付けられたといっても過言ではない。

会場には「トレンド2016」と題された展示ゾーンがある。毎年、主催者がプロのデザイン分析家と共に定点観測した1年間のリサーチ結果を、実際の商品でプレゼンテーションするという展示だ。

世界のバイヤーは、まずここを詣でて、これからの売れ筋をチェックするのだ。会場面積は30万㎡もある。まずここで、全体を把握してから、バイヤーたちは次々と会場に散っていく。会場では買い物心が湧き上がるのだが、残念ながら商談専門の見本市で一般客は入れないし、もちろん買い物もできない。そんなクローズドな空間だからこそ、最新の情報が集まるもの。現地で見た中から、日本にも入ってきそうな人気アイテムをピックアップしてご紹介しよう。
〈デザインレターズ〉
「アンビエンテ」は、ドイツの見本市だが、北欧のブランドが多く集まる見本市でもある。家具の復刻ブームが生活雑貨ブランドにも及んでいるのは、〈イッタラ〉などでもご存じの通り。アルネ・ヤコブセンのタイポグラフィを復刻してアイテムを作っている〈デザインレターズ〉はすでに日本でも人気のブランド。今年はヤコブセンが1940年代にデザインした花柄や幾何学柄などのパターンを復刻し、それをあしらったステーショナリーが登場した。
同じく〈デザインレターズ〉から。ヤコブセンがSASロイヤルホテルのためにデザインした花器が復刻された。このお尻がむっくりとしたデザインは、SASロイヤルホテルのためにデザインしたドロップチェアとフォルムが似ている。建築空間の景色の中に同じモチーフの家具や花器を揃える。ヤコブセンの総合的なプロデュース力が垣間見える。
〈ローゼンダール〉のステーション・クロック。
こちらはデンマークの〈ローゼンダール〉から復刻されたステーション・クロック。1939年に電子部品メーカーの依頼で作ったものだそうで、駅で使われるような見やすい文字盤。ローテクの時計の温かみを感じる。なんといってもレッグが渋い。
〈カイ・ボイスン〉の新作《スパロー》。
〈カイ・ボイスン〉は動物のウッディドールで知られるが、新作はカラフルなツバメ。6cmのスモールサイズのツバメは、70年代風のレトロカラーに彩られ、マグネットでくっつく。7羽は1週間を表しているという。
巨大ブースで常に注目を浴びていた〈アレッシィ〉。 photo_Satoshi Nagare
銀やステンレスの洋食器から始まったイタリアの〈アレッシィ〉。テーブルやキッチン用品が有名だが、最近はリビングアイテムにも積極的だ。今年は時計ラッシュ! 確かに〈アレッシィ〉のクリエイティビィはインテリアに取りいれるなら、最適なのかもしれない。
photo_Satoshi Nagare
ダニエル・リベスキンド《タイム・メーゼ》 photo_Satoshi Nagare
一番シンボリックなのがこちら。建築家ダニエル・リベスキンドの《タイム・メーゼ》。「時間は丸く円滑に進むむことがない。いつも予想外のことが起こり、急に向きを変えていく」と、この迷走したような形を生み出した。なるほど、哲学的だ。赤い樹脂塗装をされたスチール製の時計は、どう時間を読み取るのか?
スタジオ・ヨブ《コントワーズ》
スタジオ・ヨブの《コントワーズ》は、17世紀フランスの大型時計からインスピレーションを得ている。彼ららしい、緻密でユーモアあるイラストがあしらわれている。よく見るとラブレターやバラの花、涙を流す瞳、歯車、蝶… 脈絡がないようで、独特のセンスが伝わるデザインだ。
ジュリオ・ラケッティ《オラ・イン》《オラ・アウト》 photo_Satoshi Nagare
ジュリオ・ラケッティの《オラ・イン》《オラ・アウト》。一見、丸いフェイスのごく普通の時計。実はこれは裏面に秘密がある。世界でも珍しい角部のための時計なのだ。裏側がコーナーシェイプになっていて、壁面と壁面の境目に取り付けることができる。凸面用と凹面用があるのも面白い。

アンビエンテ

公式サイト

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