April 20, 2022 | Design, Architecture | casabrutus.com
これからの住まいづくりを住む人と一緒に考え、多角的に発信していく場所として積水ハウスが展開する〈SUMUFUMU TERRACE〉。従来の“住宅展示場”とはまったく違う、新しい家づくりのための場とは? 5つ目の拠点としてオープンした〈SUMUFUMU TERRACE 青山〉の施設デザインを手がけた、ネンドの佐藤オオキに話を聞いた。
これまでメーカーに家づくりを相談するときは、住宅展示場に出かけるというのが常識だったが、これからはまた新しい時代がやってくるようだ。積水ハウスの新拠点〈SUMUFUMU TERRACE 青山〉は、家づくりのノウハウのみならず、暮らしのビジョンやインスピレーションを養い、理想の住まいにさらに近づけるためのエッセンスを詰め込んだ場所だといえる。
「これまではどのように家を建てるかというハード面にフォーカスしていたのに対し、どのように使って、住みこなすかというソフト面へとユーザーのニーズが拡張している。それならば従来のショールーム的な存在よりも、よりコミュニケーションに特化した空間が必要なのではないか。そんな視点から積水ハウスさんと意見を重ねていきました」
そう語るのは、〈SUMUFUMU TERRACE 青山〉の空間デザインを担当したネンドの佐藤オオキ。あらゆるコンテンツに柔軟に対応するために、空間も可変性のあるものでなければならないと考えた。
・プラスして満たしていく、可変性のある空間。
可変性のある空間といえば、壁が動く仕組みなどを考えがちだが、ここでの佐藤の発想は大きく異なる。
「固定の壁で仕切りつつも、すべてのガラス面にすることで、部屋の手前と向こう。つまりは空間の内と外の関係をあいまいにしつつ、すべてのサッシの枠に棚やフックなどを設置できるような仕掛けをつくりました。つまりこの場所は、何かをプラスしていくことで、どんどん満たされていく。そんな自由で想像力溢れる感覚を、空間から感じとっていただきたいのです」
模型や素材サンプルを展示するスペースは最小にとどめ、カフェ、ギャラリー、ラウンジなどを充実させた〈SUMUFUMU TERRACE 青山〉は、ネンドの独自のデザインにより、来場者が伸びやかに過ごす開放的な空間に仕上がった。
・アートとともに、家をつくり育てる感覚。
そしてこの施設は、感性を刺激するアーティストと出会い、新しいライフスタイルを切り開くギャラリー機能も併設している。オープンには、目[mé](現代アート)、石川直樹(写真家)、荒井良二(絵本作家)、東京藝術大学学生9名の4組が参加。空間ではアーティストたちの厳選された作品を常時展示するほか、ワークショップやレクチャーなどのイベントを開催。さらに、家の設計に合わせて、アーティストに作品の製作依頼ができ、オリジナルピースを購入できるというスペシャルサービスも。自分や家族のこれからの人生を大切に包み込み、ともに育ってくれる家づくりと同時に、その夢や希望を形に表すアート作品を考えてみるのはまたとない機会だ。
・専門家が家づくりを多角的にサポート。
〈SUMUFUMU TERRACE 青山〉には、積水ハウスのデザインチームが常駐。実際の新築の相談のみならず、増改築やリフォーム、不動産売買、賃貸物件、さらには税金の話まで、幅広いライフプランのアドバイスを専門スタッフが柔軟にサポートしてくれる。また、今後は住宅、ライフスタイル、デザイン、アートなど、幅広いテーマでのワークショップやレクチャーなど、イベントも多数開催する予定だ。