December 29, 2021 | Architecture, Design | casabrutus.com
〈三菱地所〉が新たな総合スマートホームサービスとして、「HOMETACT」を開発。住宅機器や家電、IoT機器をまとめて操作・管理できるアプリを軸に、デジタルデバイスとともにある新たな暮らしの可能性を提示している。
・「行ってきます」と声をかけてみた
独自のスマホアプリに紐づけることで、家の中のさまざまな住宅設備や家電、IoT機器を、思いのままに操作できる。時に「声をかける」だけで、時に遠隔で、あるいは、あなたが最寄りの駅を通過するだけで。〈三菱地所〉が開発した「HOMETACT(ホームタクト)」は、これまで課題も多かったスマートホームの分野において、総合デベロッパーならではの解を用意した、横断的な総合スマートホームサービスだ。
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すでに20%以上の住宅にスマートホームが導入されているアメリカに対して、5〜6年ほど遅れをとっていると言われる日本の住宅事情。一方で、2030年までには本邦においても、現状の約10倍、全世帯の30%以上まで導入が進むという予測がなされている。
「メーカーや機器ごとに異なるアプリを操作しなければならない」
「自分自身で設置・設定するが難しい」
「不具合が起きたときの緊急対応を、誰がしてくれるのかわからない」
日本において導入を阻んでいる上記のような課題に対して、総合デベロッパーである〈三菱地所〉は、スマートデバイスを一括で操作できる独自のアプリ「HOMETACT」を開発。ユーザーは、エントランスや自室のスマートロック、給湯コントローラー、スマートライト、スマートカーテン、さらにはロボット掃除機や音楽スピーカーなど、対応するデバイスをアプリ上から、一括で操作・管理できる。またこれらを導入することは、集合住宅のオーナーにとっても、住宅価値を高めてくれるというメリットが。緊急対応などのサポートサービスとして〈ビックカメラ〉〈ソフマップ〉〈ranet〉とも連携をしているので、ユーザー/オーナー双方にとって、負荷なく、安心してサービスを利用できる。
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住まい手にとって新鮮なのは、メーカー/機器横断ならではの「シーン」「マイルール」の機能だ。
「シーン」ならば例えば、冒頭の動画のように「行ってきます」「ただいま」「おはよう」「おやすみ」などのひと声で、設備・デバイスのオン/オフを一斉に操作。朝目が覚めて、ベッドの中で「おはよう」とスマートスピーカーに声をかければ、自動でカーテンが開き、陽が入る。朝にふさわしい音楽が流れ、給湯器も作動して、温かなシャワーをすぐに浴びることができる。細かな時間を取られがちな日常のさまざまな動作を、デバイスが華麗に済ませてくれ、快適に日々の暮らしを営める。
あるいは「マイルール」ならば、「家から200mの位置まで近づいたら」「最寄駅に到着したら」といった、事前に設定しておいた“トリガー(条件)”に反応して、設備やデバイスが稼働。仕事帰りの疲れた状態でも、“家”に気持ちよく迎え入れられ、眠るまでの貴重な時間をより豊かに過ごすための余暇を与えてくれる。
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「HOMETACT」はすでに〈三菱地所レジデンス〉の賃貸マンション〈ザ・パークハビオ 麻布十番〉などに導入済み。今後は、〈三菱地所〉に限らない、幅広い住宅・マンションへの導入を目指している。
ちなみに、同じく今後需要が増えていく予測がされる「家事代行サービス」などに際しても、鍵を渡すことなく、オンライン上で一時パスを発行して、部屋に入ってもらうことも。
かつて洗濯機が登場して生活を大いに助けてくれたように、テレビが、エアコンが、さまざまな設備、家電、デバイスがいま当たり前にあるように、スマートホームは、多忙な人々の暮らしがまた大きく快適になものになる可能性を示している。