Quantcast
Channel: カーサ ブルータス Casa BRUTUS |
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2781

豪華クリエイターが集結! 食と文化の発信拠点〈VISON〉が本格始動。内田鋼一監修エリアも。

$
0
0

August 13, 2021 | Travel, Architecture, Art, Design, Food | casabrutus.com

三重県のほぼ真ん中、伊勢神宮や熊野古道にも通じる多気町に7月20日、日本最大級の複合リゾート施設〈VISON〉がグランドオープン。「癒・食・知」のテーマパークの全貌やいかに? 陶芸家・造形作家、内田鋼一が監修を手がけたミュージアムやギャラリーにも注目です。

敷地内には木の香も清々しい木造建築が並ぶ。神宮の式年遷宮をモデルに20年に1度のサイクルで建て替えながら木造建築を継続。地元林業にも貢献する。

足かけ7年の月日を経て、この日グランドオープンを迎えた〈VISON〉は敷地面積119ヘクタール。幾重にも続く山の中に東京ドーム24個分の商業リゾート施設が姿を現す。

敷地内は9つのエリアに分かれており、〈マルシェ ヴィソン〉〈スウィーツ ヴィレッジ〉〈和ヴィソン〉〈アトリエ ヴィソン〉〈サンセバスチャン通り〉〈HOTEL VISON〉〈本草エリア〉〈木育エリア〉〈農園エリア〉から成る。全部で73におよぶ施設は段階的に完成が進み、2021年4月にはパリの一つ星シェフ手島竜司監修による産直市場〈マルシェ ヴィソン〉と辻󠄀口博啓による〈スウィーツ ヴィレッジ〉が、6月には薬草を活用した〈本草湯〉と木と森の体験施設〈kiond〉がオープン。このほど和食文化を発信する〈和ヴィソン〉と内田のミュージアムを擁する〈アトリエ ヴィソン〉、くるみの木やミナ ペルホネンが出店する〈サンセバスチャン通り〉、〈HOTEL VISON(ホテル ヴィソン)〉が開業となった。

●和食文化のテーマパーク〈和ヴィソン〉

和食文化を支える出汁、醤油、味噌、みりんなどの作り手が集う〈和ヴィソン〉。

敷地の奥に位置する〈和ヴィソン〉は和食文化の発信拠点。蕎麦や天ぷらなど和食の名店が並ぶ一方で、和食に欠かせない出汁や醤油、味噌、みりんなどの名だたる作り手が軒を連ね、発酵に基づく食の基本まで体験できる。いわば和食のテーマパークだ。

その一画にあるのが”水の知恵”をコンセプトにしたパビリオン〈クリンスイハウス〉だ。ここでクリンスイの浄水器を通した浄水と水道水を飲み比べ、さらにそれぞれでとった出汁の違いを味わって、水がいかに味を左右するかを実感。この建物内も含め〈VISON〉全域10カ所に設置されたウォーターサーバーでは、安心でおいしい水を給水可能。使い捨てペットボトルのない環境づくりをサポートしている。

〈伊勢翁〉の夏季限定すだち蕎麦。すだちの香りと酸味が出汁の澄んだ味わいを引き立てる。

●内田鋼一のクリエイションを体感する〈アトリエ ヴィソン〉

内田鋼一による〈KATACHI museum(カタチミュージアム)〉。外壁は伊勢神宮にも携わる左官職人とともに手がけた日本最大級の土壁。「軒も雨樋もなく、雨が直接壁に染み込む。その様が風景になりアートになる」(内田)

〈VISON〉の核となるのが〈アトリエ ヴィソン〉だ。内田鋼一によるミュージアムとギャラリー、アトリエのあるエリア。中でも食をコンセプトにした〈カタチミュージアム〉は必見だろう。

「これだけの規模の施設には文化的な要素が不可欠。それがなくては、一つの街とはいえません」と内田。納屋を想起させる建物の中には、紀元前から近代まで洋の東西を問わず内田が蒐集した食にまつわる道具が展示されている。

「単なる民族博物館にならないよう、美術的な角度から見ても価値あるものを選びました。カタチとしてユカイで、これは何?と想像力を掻き立てるもの。そして建物を含め、経年変化によって生まれる美しさを味わっていただけたら」(内田)

●食とショッピングを楽しむ〈サンセバスチャン通り〉

〈くるみの木 暮らしの参考室〉ミュージアムの入口には使い込まれたカッティングボードがかけられている。

〈VISON〉敷地の中腹に位置するのは〈サンセバスチャン通り〉。多気町と食を通じて友好関係にあるスペインの都市の名を関した施設には、現地で人気のバル3店が出店するほか、内田が監修を務めた〈くるみの木〉や〈ミナ ペルホネン〉、〈D&DEPARTMENT〉などのライフスタイルショップがオープンした。

中でも注目は、ミュージアムを伴うショップを初展開する〈くるみの木〉と〈ミナ ペルホネン〉だ。〈くるみの木 暮らしの参考室〉では、代表の石村由起子の原点とも言える品を展示。住まいに見立てた空間で石村の紡ぐ世界観を体感できる。

入場無料の〈ミナ ペルホネン ミュージアム / ミュージアムショップ〉。入口は2カ所あるが、せっかくここまできたのだからミュージアムをじっくり観てからショップへと歩を進めたい。

〈ミナ ペルホネン〉ではこれまでも美術館などで巡回展示が行われてきたが、常設のミュージアムは初。半世紀を超えるミナ ペルホネンのものづくりを紹介、アイディアがデザインとなりテキスタイルとなる物語を追体験できる。

〈くるみの木〉でも〈ミナ ペルホネン〉でも、ミュージアムで世界観に浸った後、ショップでお気に入りの品に出会える仕組み。8月にはサンセバスチャン通り2階に、旅籠Ⅱ「インテリアコーディネート Kuruminoki」、旅籠Ⅲ「minä perhonen room by vison direction」もオープンする予定だ。〈くるみの木〉や〈ミナ ペルホネン〉の世界にひたれる宿泊体験が楽しめる。

●多気の自然を満喫するホテル〈HOTEL VISON〉

テラスツインルーム。客室と同じ広さのプライベートテラスではプチグランピングを楽しめる。

これほど広大で多様な施設を擁する〈VISON〉を堪能するには、日帰りじゃ足りない。少なくとも1泊、欲をいえば連泊したいところ。もちろん敷地内には宿泊施設も完備。〈HOTEL VISON〉には斜面に沿って客室が広がるタイプと、別荘のような戸建てのヴィラタイプがあり、周囲の自然と一体になった滞在を楽しめる。また、ゲストルームやパブリックスペースには〈ランドスケーププロダクツ〉セレクトのモダンアート作品も。気に入ったら購入できるのも、おもしろい。

茶室つきヴィラは茶人、千宗屋が監修。炉が切られた茶室は水屋つきで本格的な茶事を営める。

木の温もり、広い空の下に山々が連なる眺め、心地よい風が渡るテラスにアート。しかも宿泊客には、ロート製薬と三重大学がレシピ開発した薬草湯〈本草湯〉を利用できる特典も。しっかり癒されたら勢いに乗って伊勢参りや熊野古道に繰り出す手もあり。新たな旅のカタチがここからはじまる。

〈VISON〉

三重県多気郡多気町ヴィソン672-1。TEL 0598 39 3190。7月20日グランドオープン。9エリア(〈マルシェ ヴィソン〉〈スウィーツ ヴィレッジ〉〈和ヴィソン〉〈アトリエ ヴィソン〉〈サンセバスチャン通り〉〈HOTEL VISON〉〈本草エリア〉〈木育エリア〉〈農園エリア〉)から成る。全73施設。営業時間は店舗により異なるため、公式サイトを要確認。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2781

Trending Articles