July 11, 2021 | Architecture | window on the world
チューリップを思わせる形状のコラム(円柱)にすくい上げられたような〈リトルアイランド〉は、ハドソン川に浮かぶ人工島だ。
設計はトーマス・ヘザウィック。埠頭は平坦なものという先入観をくつがえし、山あり谷ありの複雑な地形をチェルシー地区のウォーターフロントに生み出した。小島ながらささやかな岩場や坂道、展望台に屋外ステージも!
様々な眺めを味わえるだけでなく、エリアごとに異なる微気候が作り出されているのも驚きだ。緑を手がけたのはNY公共空間におけるランドスケープデザインの第一人者、シグニー・ニールセン。NYの自生種を中心とした約400種もの樹木や草花が、川も凍る冬の寒さや夏の酷暑に耐えながら、一年を通じ市民の目と心に安らぎをもたらす。
季節の花に囲まれて軽食やワインでピクニックするも良し、日没や夜景を堪能したり、野外ステージでダンスや演劇を鑑賞したりと、思い思いのアクティビティが楽しめる。公園を愛する街に誕生した最新形・公共ワンダーランドだ。