April 4, 2020 | Travel, Architecture, Food | casabrutus.com
京都市のほぼ中心にオープンした〈ザ・ひらまつ 京都〉。中村外二工務店の監修で京町家を再構築した、ひらまつ初の都市型ラグジュアリーホテルです。
2020年3月、京都・烏丸御池駅から徒歩3分の好立地に、〈ザ・ひらまつ 京都〉が開業した。江戸時代から残る京町家を、中村外二工務店の監修のもと再構築した宿だ。
〈ひらまつ〉が都市型のラグジュアリーホテルをつくるのは初めてのこと。規模は他のエリアより小さいが、そこには「美しい京町家を保存したい」という気持ちがあったのだという。
「京都ははんなりしていなければならない」と言う中村外二工務店代表・中村義明氏。この「はんなり」は「上品な明るさや華やかさ」を指し、京都の建築は小さい玄関から入り、奥へだんだん広がっていくところに特徴があると話す。〈ザ・ひらまつ 京都〉も、玄関はこじんまりとしているが、一歩中に入るとかつて表屋(店舗として使われていた、道路に面した部分)だった空間があり、奥には京町家ならではの「走り庭」が見える。さらに奥に進んでいくと、レストランや蔵を利用したバーなど華やいだ空間が広がっている、という造りだ。
外観は「糸屋格子」など京町家らしい特徴をそのまま残し、華美な装飾や看板はない。一見見つけにくいが、あくまでも京都の中心になじむように配慮された結果だ。そしてゲストルームは、和を強調しすぎない、”現代の心地よさ”を追求。年代を超えてくつろげる空間になっている。
レストランは2つ。京都らしい料理は、京都で研鑽を積んだ料理長が腕をふるう割烹〈いずみ〉で。華やかなイタリア料理は〈ラ・ルーチェ〉で。どちらもレストラン事業を中心に発展してきた〈ひらまつ〉らしく、伝統を受け継いだ、芯のある料理を提供する。
京都の中心ではじまった、新たな挑戦。〈ひらまつ〉らしい京都の解釈に注目が集まっている。