March 14, 2020 | Art, Architecture, Travel | a wall newspaper
安藤忠雄がメキシコで設計したアートセンターの庭園では、彫刻作品がすべて土中に埋められている!?
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その名も〈地中彫刻庭園〉。地下に降りると、彫刻の数々に出会うことができる……のではなく、作品はすべて土中に埋めてある!? ここオアハカまで運ばれてきた彫刻は、およそ20体。来場者はこれらを見ることはできないが、埋められた地面の「上」で作品を想像して思いを馳せる、というなんとも奇妙な庭園なのだ。
このコンセプチュアルな庭園プロジェクトを手がけたのは、アーティストのロリス・グレオー。母国フランスをはじめ世界で活躍する彫刻家にして、映像作家だ。舞台となるのは〈カーサ・ワビ〉。アーティストのボスコ・ソディが設立したアートセンター&住居であり、建築を手がけたのは、われらが安藤忠雄である。
グレオーは、敷地の地中深くに掘った穴に、これまで制作した作品群から選り抜いた20体を埋め、上から土をかぶせて「永遠に」埋没した。どの作品なのかも、一切口外しない。作品の真上には小道が通り、訪れた人は散歩しながら作品を想像する。なお来年2月には、庭園のオープン日を記したベンチが設置予定。草木が伸び緑で覆われても目印になるように、というわけだ。目に見えないが、そこにある。いわば訪れる人々の想像の中で無限の存在感を放つ、奇妙な「彫刻庭園」を訪れてみたい。
![](http://casabrutus.com/wp-content/uploads/2020/03/0306casawabi03_666.jpg)