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巨大な「2・0・2・1」の意味は? 東京の未来を読み解く。

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August 1, 2019 | Art, Architecture | casabrutus.com

2度目の東京五輪を1年後に控えた2019年8月、アーティストと建築家によるアートイベント〈TOKYO 2021〉が、解体予定のTODAビルにて開催される。

2019年、今回のアートイベントの会場となるTODA BUILDINGのファサードに設置された、プロジェクトを象徴するオブジェ。

〈TOKYO 2021〉とは、アーティストの藤元明によって2016年にスタートした〈2021〉に連なるアートプロジェクト。この〈2021〉は、2020年以降の新しい時代を読み解くために、東京のさまざまな風景の中に「2021」の数字を設置し、「問い」を掲げてきた。

2017年、福島県いわき市の岩間海岸防波堤建設現場に設置。 藤元明「2021#Breakwater, Fukushima」photo_Takemitsu Miyagawa

〈TOKYO 2021〉では「建築展」と「美術展」に分けてプログラムが組まれている。8月3日からはじまる建築展は、中山英之がディレクターを務め、藤村龍至が制作した課題に、公募によって集められた参加者と建築家たち共にが取り組む姿自体が展示となる。参加建築家は中山、藤村をはじめ、本展覧会の企画アドバイザーでもある永山祐子、成瀬友梨や藤原徹平らと新世代建築家を含む13名の建築家である。大手町や日本橋、京橋、銀座、六本木、渋谷、品川など、複数のエリアで競い合うように再開発が行われている東京の現状を、あたかも島の集合体であると捉え「島京」と名付けた。「島京」というお題について対話を重ねながら2021年以降の東京を問い直す。8月24日には参加型の討論会が予定され、青木淳などゲストと共に討論をしながら未来の東京に対する提案をまとめる。

TOKYO 2021 建築展 キックオフミーティング

議論に参加するのは、公募によって集まった複数のチーム。中山英之がディレクターを務め、藤村龍至が課題「島京 2021」を作成した。

美術展では、黒瀬陽平のキュレーションのもと、近現代の日本の「災害」と「祝祭」の歴史を振り返りながら、会田誠、宇川直宏ら複数のアーティストが参加し、作品を出展。そのほか、ファッションブランド〈アンリアレイジ〉も「透鏡2021」と題した展示で参加する。領域を越え、都市と時間軸が交差するアートイベントとなりそうだ。

本展のディレクター藤元明による作品「幻爆 着弾ver.」(2017年、寺田倉庫)。

1964年の東京五輪の前夜にも巻き起こったムーブメントを彷彿とさせる、新世代の作家たちによる競演。東京五輪という祭典をターニングポイントに、この都市がどこに向かうのかを考える、注目のアートイベントだ。

《TOKYO 2021》
──建築展『課題「島京2021」』、美術展『un/real engine 慰霊のエンジニアリング』

〈TODA BUIDING〉 東京都中央区京橋1-7-1,1F。8月3日〜10月20日。9月1日〜9月13日休。11時〜20時。 建築展『課題「島京2021」』8月3日〜24日(ワークショップ成果のみ8月25日〜31日まで観ることができる)。 美術展『un/real engine 慰霊のエンジニアリング』9月14日〜10月20日。

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