June 20, 2016 | Architecture | a wall newspaper | text_Naoko Aono
土木というと遠い山の中の出来事のイメージだが、都市にも地下通路や橋など、土木による構造物が張り巡らされている。そんな土木をより身近に感じられる展覧会が開かれる。
「土木の行為:ためる」(photo_「千苅ダム」西山芳一)。
まずは高度経済成長期のダムやトンネルなどの工事現場の映像と、高らかに響く槌音が織りなす「土木オーケストラ」に身を浸そう。今の日本の国土を作り上げてきた人々の熱い思いが伝わってくる。「土木の行為」では石を積む、掘るといった作業をアーティストやデザイナーたちが楽しく、そしてわかりやすく解説してくれる。実際に自分で積んだり掘ったりできるコーナーも。サンクンコートの実寸大の重機パネルや、7月に開通する世界一長いトンネル「ゴッタルドベーストンネル」を紹介する展示は迫力満点だ。
「現場で働く人達」株式会社 感電社(photo_菊池茂夫)。
土木は災害時などにしか注目されないが、私たちの暮らしを支える“縁の下の力持ち”。専門外の作家も多く参加するこの展覧会で、これまで意識しなかった土木の魅力が見えてくる。
「土木の行為:ほる」(「地質山」のためのドローイング)康夏奈(吉田夏奈)。島に掘られたトンネルをのぞくと地層など地中の様子が見える。
〈21_21 DESIGN SIGHT〉
東京都港区赤坂9-7-6東京ミッドタウン・ガーデン内 TEL 03 3475 2121。6月24日〜9月25日。10時〜19時(8月23日は〜17時)。火曜休(8月23日は開館)。1,100円。公式サイト