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速報:2019年プリツカー賞は、磯崎新。

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March 6, 2019 | Architecture | casabrutus.com

「建築界のノーベル賞」と呼ばれるプリツカー賞。今年は日本建築界の大重鎮、磯崎新に授与されると発表になった。日本人としては、丹下健三や槇文彦、安藤忠雄、妹島和世+西沢立衛、伊東豊雄、坂茂に続き、8人目の受賞者となる。

磯崎 新 1931年大分生まれ。東京大学大学院博士課程修了。1963年磯崎新アトリエ創設。東京大学、ハーバード大学の客員教授など歴任。英国王立建築家協会ゴールドメダル(1986)、ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展金獅子賞(1996)などの受賞歴がある。photo_Imaginechina / AFLO

「磯崎氏は欧米文化が他を圧していた時代、広い見聞に基づく独自の建築を打ち出し、日本人として初めて本格的に海外進出を果たした。真に国際的な建築家である」

プリツカー賞を主宰するハイアット財団の代表で賞の創設者、トム・プリツカーは、こう述べている。

水戸芸術館(1990)

戦後の復興期であった1950年代、磯崎は東京大学の丹下健三研究室で学び、〈空中都市〉(1962)など、建築や都市も有機的に作られるべきだというアバンギャルドな「メタボリズム」のムーブメントに部分参加する。その後、世界各地での建築行脚や交流を通し、アバンギャルドを脱却する「建築の解体」を展開。技術より 「空間」を表現する建築を選択し、ポストモダン建築の騎手として建築界をリードする。出身地の大分を始めとして、1980年代からは海外に進出。ここ10年ほどは中国やヨーロッパ各地など、海外での作品が主になっている。

「半世紀以上に渡り、磯崎氏は建築作品、著作、展覧会、会議の企画やコンペの審査を通し、建築界に多大なインパクトを与え、また多くの若い建築家を世に送り出してきた。建築家の重鎮でありながら、新しいアイディアを取り入れることにもオープンであり続ける。その作品は建築だけでなく、哲学、歴史、理論、文芸への深い造詣に基づいている。コラージュのような表面的なことではなく、真の意味で西洋と東洋の建築を結びつけた 」

審査員は授賞の理由をこうコメントしている。世界の建築界に多角的に影響を与える続ける建築家であり、理論家である磯崎新。長らく待たれていたこの賞がようやく贈られることを、心から祝福したい。

ロサンゼルス現代美術館/MOCA(1988) photo_Hisao Suzuki

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