February 28, 2019 | Art, Architecture, Travel | casabrutus.com
10組の建築家とアーテュストによるコラボレーションで、明日への問題提起となる展覧会がロンドンで開催中。
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1956年、リチャード・ハミルトンやアリソン&ピーター・スミッソンなど、当時の気鋭アーティストと建築家がコラボレーション作品を展示した 『ジス・イズ・トゥモロー』。 アートと建築に多大なインパクトを与えた伝説の展覧会だ。それから63年経った今、同じ〈ホワイトチャペル・ギャラリー〉にて、同形式の展覧会『イズ・ジス・トゥモロー』が開催されている。
戦後の復興期にあった当時から見たトゥモロー(明日)である現在、世界は予想外な方向に変化したと言っていい。ビッグデータ、バイオテクノロジー、移民、格差拡大、 温暖化など、今の世の中が直面する問題を背景に、10組の建築家とアーティストが作品を展示する。
展示は、建築ユニット〈6a〉とアメリア・ピカによる、家畜用の囲いを使った作品から始まる。人が動植物をコントロールしようという世にあって、人間と動物の関係を問いかける。
アンドレス・ジャックとジェイコルビ・サッターホワイトは、ニューヨークのタワーマンション開発とゲイ・クラブの閉鎖など、不動産価値の高騰と並行して多様なカルチャーが消えゆくことへの警告を発している。
2階の展示ハイライトは、デイヴィッド・コーンとサイモン・フジワラによる作品だ。史上最高価格、約508億円落札されたものの、〈ルーヴル・アブダビ〉での展示が延期になっているダ・ヴィンチによるイエス・キリストの肖像画《サルバトール・ムンディ》をテーマに、アートの商業化やヴァーチャル化を風刺した作品だ。
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明るい明日へのヴィジョンより、このままでいいのか?という警告的作品が多いのも、今の時代を代弁するものだからだろう。いずれもの作品もやや難解なので、カタログ本で読み解くのがお勧めしたい。
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