June 10, 2018 | Design, Architecture, Travel | window on the world | text_Mari Matsubara
ヴェルサイユ宮殿の離宮〈プチトリアノン〉の敷地には、マリー=アントワネットのために"アモー"と呼ばれる擬似田園が人工的に作られ、風車小屋や乳牛を飼う牛舎、鶏小屋などが建てられた。

1787年に建設された、王妃が友人と過ごす藁ぶき屋根の2階建ての家は、革命による損壊とナポレオン帝政期を経て、1867年以降非公開のまま放置されていた。これまでその外観を眺めることはできたが、5年前に〈ディオール〉のメセナを受けて全面修復工事がスタート。

今年5月12日から家の内部もガイド付き見学ができるようになった。ルソーの自然思想に感化された"田舎ごっこ"とはいえ、内装はゴージャス。サロンの黄色い壁紙は、マリー=アントワネット時代の資料が残っておらず、19世紀初頭にナポレオンの妻マリー=ルイーズに譲渡された際の資料に基づいて復元された。