July 31, 2017 | Travel, Architecture, Design | casabrutus.com | Photo_Ayumi Yamamoto text_Jun Ishida
ライフスタイル・ホテル〈エディション〉が、東京に! イアン・シュレーガーが東京で何を仕掛けるのか?
ブティックホテルの祖、イアン・シュレーガーが〈マリオット・インターナショナル〉とタッグを組んで開発したライフスタイルホテル〈エディション〉。2013年のロンドンを皮切りにマイアミやニューヨークでもオープンし話題のホテルブランドが2020年、ついに東京に上陸する。
7月に東京で行われた記者会見にはイアンも出席。同じ年に虎の門と銀座にオープンすると発表した。両ホテルのデザインを手がけるのは、隈研吾。〈東京エディション虎の門〉は、森トラストが計画する〈東京ワールドゲート〉上層階に入る約200室の大型ホテル、〈東京エディション銀座〉は一棟のビルが約80室のホテルになる予定だ。日本で初のホテルを手がけるイアンに構想について聞いた。
GINZA
TORANOMON
Q 両ホテルのデザイナーに隈研吾さんを起用した理由は?
ケンゴとは今、バンコクで作っているエディションでも仕事をしています。彼はディテールや素材、仕上げにこだわり、洗練された独自性のあるものを作れる建築家。とても仕事がしやすかったです。これまでも磯崎新や倉俣史郎とも仕事をしましたが、日本人のデザインに対するシンプルで純粋な感覚や美学には親しみが持てます。
Q 隈さんとはデザインについてどんな話をしているのですか?
まだ内緒です(笑)。アップルと同様に、私はオープンまではすべて隠しておきます。とにかく私の仕事はケンゴに最高傑作を作ってもらうこと。スペクタキュラーなものを作りたいですね。彼とはフレームワークから一緒に考えています。私はどんなにデザインが素晴らしくても世間から隔絶されたものに興味はありません。人々が反応しパブリックスペースとして機能するデザインに興味があります。
Q あなたのホテルには常に地域性が反映されていると思いますが、東京のホテルはどうでしょうか?
街の個性を生かしたものにしますよ。二つはアプローチやアティチュードが全く異なりますが、二人姉妹みたいなもので、二人ともかわいいけれど、個性が違うんです。
Q あなたはホテルのロビー空間を、宿泊客以外の人にもオープンな社交場とした「ロビーソーシャライジング」の祖でもあります。これによりNYのホテルは大きく変わりましたが、東京ではどんな空間作りを考えていますか?
どんなものが日本の文化に根付くかはまだわかりません。ただ、他の都市と同じことするつもりはありません。たとえば、ロンドンの人々はレストランで音楽が流れるのは好まないけれど、ニューヨーカーは好みます。デザインは、そうしたことを尊重することが重要。人々が空間の使い方を教えてくれるので、真っ白なキャンバスを用意するだけでいいんです。ロビーソーシャライジングを始めたといっても、みなが居心地がよいと感じる場所を作っただけですよ。