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ミースがコラージュ!? 表したのは“三位一体”でした。

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June 15, 2017 | Architecture, Design | a wall newspaper | photo_Keiko Nakajima text_Jun Kato editor_Yuka Uchida

巨匠建築家のミースが生み出したコラージュ作品は、自然と人間、建築を融和する理念を体現していました。

芸術作品や自然がコラージュされた室内パース。《ゲルニカ》の左右には彫像が2体。人間の創造物である彫像や絵画は「人」を表すものとして置かれている。同時代のパウル・クレーの作品も度々登場。

近代建築の巨匠、ミース・ファン・デル・ローエによるコラージュ作品集が刊行された。数々の美しいグラフィックに不可思議な構図や題材が多い理由は?

ミース研究で知られる、摂南大学の佐野潤一名誉教授は「活動後期に顕著となる人間・自然・建築の三位一体的な理念を表すため」と見る。彫像や絵画は人の、窓越しの風景は自然の、代理として登場させたもので、自然・人間・建築が一体となった「大きな存在」の表れだそう。自作について多くを語らなかったミースだが、ファーンズワース邸についてこんな言葉がある。「建物の外で見る自然より内部から眺める自然からより多くのことを得られる」。これはつまりコラージュパースの視点。ミース建築のヒントとなる一冊だ。

『Mies van der Rohe: Montage, Collage』

ミース生誕の地、ドイツ・アーヘンでの展覧会に際してWalther König社から刊行。ダダやデ・ステイルの影響を受けたモンタージュやコラージュ多数収録。7,462円(シェルフ TEL 03 3405 7889)。

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