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〈アクネ〉などの空間を手掛ける夫婦のクラシックな住まい|デンマーク【北欧各国、クリエイターの住まい】

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December 6, 2024 | Design | 北欧各国、クリエイターの住まい

北欧を拠点に活躍するクリエイターは、どんな部屋に暮らしているのか。インテリアデザイナーからブランドのファウンダー、ギャラリストまで、北欧各都市、今をときめくクリエイターたちの部屋を訪ね、ドキュメントしました。 今回は、名だたるファッションブランドの店舗設計を手がけるハッレロードを率いるクリスチャンとルクサンドラ夫妻が選んだ、1960年代に建てられた機能主義建築のアパート。クラシックな家具と自身のDIYで住空間を構成しています。

Area:ストックホルム
Size:83平米
Type:アパート

Area:Stockholm / Size:83平米 / Type:Apartment ジェームス・アーヴィンの赤いソファとサイドテーブルが目を引くリビング。照明はアキッレ・カスティリオーニの《タラクサカム》。

ストックホルムのインテリアデザインスタジオ、ハッレロードを率いるクリスチャンとルクサンドラ夫妻。彼らが設計・デザインした店舗のリストには〈アクネ・ストゥディオズ〉〈トーテム〉のようなスウェーデンを代表するファッションブランドが並ぶ。家具職人でもあるクリスチャンは細部に、建築家のルクサンドラは空間にこだわる。その異なった視点がお互いを補い、刺激し、いいアイデアが生まれるという。

ヴィコ・マジストレッティのテーブルと〈トーネット〉の椅子でダイニングを構成。照明はイサム・ノグチ。右壁の巨大な窓の写真は、写真家サビーネ・ホーニグの作品。

「若々しくて芸術的な〈アクネ〉には、マックス・ラムやダニエル・シルバーのようなアーティストを起用し、異素材を組み合わせたブルータルで遊び心のある空間にしています」

8歳になる娘と一緒に暮らす2人の住まいは、セーデルマルム地区にあるスタジオと同じ建物内にある。コンテンポラリーで前衛的な空間を次々と手がけている一方、実はクラシックなデザインが好みなのだとか。

心を寄せるのは、古典的な北欧デザイナーや建築家。

クリスチャン作のテーブルとジョエ・コロンボの椅子を配したキッチン。
寝室のカーペットと1930年代のヴィンテージ照明は建物の印象に合わせて選んだ。
子ども部屋の開口部に挿入したル・コルビュジエ風の青い鉄骨梁が、鮮やかさを添える。

「北欧だとグンナール・アスプルンドやカール・マルムステン、オットー・シュルツのような古典的なデザイナーや建築家が好きなんです。アパートは気に入った1960年代の佇まいを残して、10年前に改装をしました。家具はイタリアのデザインもミックスしています」

住居と同じ建物内にある彼らのスタジオ。無垢材のテーブルも彼らの自作。

目にかなうものがなければ作る、と話す家具職人のクリスチャンは、ダイニングテーブルを自作。テラゾタイルの床はブカレストに住む叔母のアパートで魅了されて採用したものだ。天井は1960年代にイタリアで使われていた光沢のある塗料で仕上げた。差し込む光が天井に反射し、北欧の暗い冬でも部屋を明るく照らしてくれるそう。

「人が集う場所になるようにデイベッドを置いてミニバーを作りたいけど、今は時間がなくて。実現したら、やっと自分たちらしい住まいになる気がします」

スタジオの隅には増え続ける本が積まれている。
水栓に導入した赤いレバーはパオラ・ナヴォーネのデザイン。
キッチンに下がる照明はジョナタン・デ・パス & ドナート・ドゥルビーノ & パオロ・ロマッツィによる《ランピアッタ》。

クリスチャン・ハッレロード

カール・マルムステン設立の家具学校を経て家具職人・デザイナーへ。1998年ルクサンドラとデザインスタジオ、ハッレロードを設立。

ルクサンドラ・ハッレロード

王立工科大の建築科を卒業後、建築事務所サンデルサンドベリに勤務。


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