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秋限定の和菓子。目にも鮮やかな黄色で伝える野山の錦。【今日の逸品】

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November 14, 2024 | Food, Design | 今日の逸品 | casabrutus.com『おいしくて美しい“和菓子”10選・晩秋。』より

カーサ ブルータスの人気企画「10選」シリーズから、こだわりの逸品をジャンルレスに日替わりでご紹介します。

〈御菓子司 塩野〉の《公孫樹》《ゆず饅頭》

左・公孫樹(こうそんじゅ)。薄く霜が降りた地面に、紅葉したイチョウの葉が舞い落ちる。1個650円。右・柚子饅頭500円。販売期間:公孫樹は11月一杯、柚子饅頭は1月一杯予定。
キラキラと光る氷餅(餅を乾燥させて細かく削った粉)を練切にまぶし、凍てつく土を表現。練切の表面には本物の銀杏が一粒。中にはこし餡入り。
薯蕷饅頭製の皮は柚子の肌感そのもの。頬張ると柚子皮の香りとともに舌触りのよいこし餡がすうっと溶けていく。
包装紙は、創業者が「赤坂らしい艶やかさ、つややかさ」をイメージしたデッサン画を元に製作。屋号〈塩野〉のたおやかな書体は、代表・高橋博さんの奥様の筆。〈御菓子司 塩野〉東京都港区赤坂2-13-2 TEL 03 3582 1881。10時〜18時(土祝〜17時)。日曜休。発送可。

昭和22年より赤坂の地で店を営む〈塩野〉は、お茶時に欠かせないお茶菓子を数多く扱う名店の一つ。桜の花びらをういろうで表現した可憐な春のお菓子「花衣」を筆頭に、季節の生菓子は種類も多く、月替わりのお菓子は常時15種類ほど。ショーウィンドウを見渡すだけでも心が踊る。

11月のお菓子の中で、その複雑かつユニークなフォルムで目を引くのが「公孫樹(こうそんじゅ)」。黄色く色づいた公孫樹(イチョウ)の葉が、氷餅をまぶした練切を包み、冷え込む晩秋の風情を表した一品だ。11月からの定番「柚子饅頭」は、ころんと丸く、楚々とした姿で、柚子の皮を潜ませた薯蕷饅頭の生地からは清々しい香りが広がる。

また、寒氷や雲平など、職人が一つ一つ真摯に作り上げる半生のお干菓子も、四季折々の贈り物として愛される〈塩野〉の看板の味。生菓子とお干菓子、美しい晩秋の「黄」の色が豊かな実りを告げている。

公式サイト


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