April 18, 2024 | Architecture | a wall newspaper
1年間のベスト建築を一般投票により選ぶ、これまでにない “身近な” 建築賞が誕生しました。

山本理顕が日本人9人目となるプリツカー賞の栄誉に輝いた、そのひと月前、日本発の新しい建築賞が誕生したのをご存じだろうか? その名も「みんなの建築大賞」。文字通り、多くの人々に開かれたアワードを目指しており、建築界における「本屋大賞」をイメージしたと事務局の宮沢洋さん(建築ネットマガジン『BUNGA NET』代表)は話す。
「業界だけの話題に留まり、一般に知られる機会がほとんどなかった従来の賞の形では、正直もったいないと思っていました。多くの人に建築の魅力や、その文化的価値を伝えるためには、一般参加型にするのがよいと考えたんです」

選考の流れはいたってシンプルだ。“建築を伝えるプロ”である雑誌の編集者や建築史家ら約30人からなる推薦委員会が、前年に完成・発表された建築の中から「この建築がすごいベスト10」をセレクト。Xで発表し、2週間の投票期間中に「いいね」を最も多く獲得した作品が大賞となる。
栄えある第1回、2023年の大賞に選ばれたのは、2143票を集めたVUILDの〈学ぶ、学び舎〉。〈天神町place〉、〈花重リノベーション〉がそれに続いた。なお、ベスト10の選考会で最も評価の高かった〈天神町place〉には、特別賞「推薦委員会ベスト1」が与えられている。

「玄人好みにも思える作品がきちんと評価されている点がうれしいですね。VUILDの代表・秋吉浩気さんが率先して選挙活動したというのも面白い。設計者自らが行動・発信する時代なのだと思います」
来年はXに加えて、インスタグラムでの投票も検討中。あなたも清き一票を投じてみませんか?
