March 11, 2024 | Travel, Design, Food | casabrutus.com
2023年5月、鹿児島市中心地に所在する複合施設〈キラメキテラス〉内に、鹿児島初の外資系シティホテルとして誕生した〈シェラトン鹿児島〉。桜島や鹿児島市街を一望できるロケーションの良さと開放感あふれるフロア構成で、地域の人気スポットとなっています。
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JR鹿児島中央駅から1キロ強の中心市街地に立地する〈シェラトン鹿児島〉。地上19階建て、228の客室を備える同ホテルの設計は三菱地所設計・Dai建築DESIGN・大林組JVによるものだ。6〜18階の客室部分のデザインは三菱地所グループのメック・デザイン・インターナショナルが、パブリックエリアのデザインは、ニューヨークに拠点を置く〈CRÈME(クレム)〉が手がけている。
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〈CRÈME(クレム)〉は2004年に代表の相崎準によって設立されたデザインスタジオだ。ニューヨークを拠点に、これまで数々のレストラン、ホテル、商業空間を含むプロジェクトを世界各国で手がけてきた。近年、東京にも拠点を置き、日本での活動も積極的に行っている。2022年10月に東京・神谷町にオープンしたニューヨークの人気レストランのアジア第一号店〈スカルペッタ東京〉も同スタジオが空間デザインを手がけた。
●街に開かれた「パブリックスクエア」
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相崎は、〈シェラトン鹿児島〉の空間デザインにあたり、「ローカルカルチャーを反映したユニークな空間に浸ることのできる体験を創出したいという思いのもと、デザインを⼿がけました」と語る。その言葉通り、1階のエントランスを入ってすぐのロビーは開放感がある気持ちの良い空間で、訪れる人々をみな包み込むような温かさに満ちている。
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階段状のオープンなパブリックスクエアは、4段階の高さレベルに設けられた6つのゾーンに分けられている。〈CRÈME(クレム)〉のデザインディレクター・川端康資は「多彩な植栽で囲んだ活き活きとした空間に、慎重に選び抜いたバラエティ豊かな家具を配置する事によって、エリアそれぞれに居⼼地良く快適な雰囲気を作り出し、ホテルを訪れたゲスト達それぞれに新たなソサエティやコミュニティを創っていただけたらと願っています」と語る。緑いっぱいの2層吹き抜けのアトリウムは、自然光が注ぐ気持ちの良い空間だ。他者の気配を感じつつも、適度な距離感が保たれているのも居心地の良さのポイントかもしれない。
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●最上階の絶景メインダイニング〈FLYING HOG GRILL〉
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ホテル内には、鹿児島の豊かな食を楽しめる3つのレストランと2つのバーがある。
メインダイニングとなるのは、最上階19階にある〈FLYING HOG GRILL〉だ。地元の伝統工芸である薩摩焼「黒薩摩」を彷彿とさせる黒を基調とした落ち着いた色合いに、山のモチーフを合わせ、鹿児島と火山のエネルギッシュなイメージを表現する上質な空間が展開する。
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レストランの中心には、薪窯が設置されていて、この薪窯で仕上げる鹿児島の名産・黒豚や平飼い地鶏などを存分に楽しめる。総席数は88席、カウンター席やソファ席、個室もある。窓から見えるのは、もちろん桜島。この絶景と薪火料理の組み合わせは、他では体験できないものだ。
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●緑豊かなルーフトップバー〈VIVARIUM〉
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〈FLYING HOG GRILL〉と同じく最上階にあるバー〈VIVARIUM〉では、まるで植物園の中にいるような気分に浸れる。緑がいっぱいの空間では実際にハーブも育てていて、つみたてのハーブを使ったカクテルも楽しめる。18時から24時までの営業なので、食前のアペリティフ、食後のひとときも過ごせるのが嬉しい。絶景とグリーン、そして居心地の良いインテリアが訪れる人々を包み込む。
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●活気あふれるオールデイダイニング〈Daily Social〉
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カジュアルに使えるのが、宿泊時の朝食はもちろん、ランチ、夕食まで対応する〈Daily Social〉だ。ライブキッチンでシェフたちが腕をふるう活気あふれる空間で、食の喜びをダイレクトに感じられる。鹿児島や九州の食材をふんだんに使った幅広いメニューで、老若男女、大人数の家族でも楽しめる。
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ホテル内には源泉掛け流しの天然温泉つきのリンパマッサージ専門店〈リンパの女神〉などもあって、食事やお茶以外にも気軽に利用できる施設がある。宿泊はもちろん、地域の新たな文化交流拠点として、洗練された空間とともに地域で長く愛される場所となるはずだ。