February 15, 2024 | Design, Food | casabrutus.com
〈ミナ ペルホネン〉とフランス発のほうろう鍋〈ストウブ〉のコラボレーション2作目、《cocotte ocean》が2024年2月22日に発売される。魚たちがゆったりと泳ぎ、海藻がたゆたう海の中の世界をデザインで表現した、皆川 明の思いを聞いた。
〈ミナ ペルホネン〉とフランスのほうろう鍋ブランド〈ストウブ〉。2021年に発売された2社の初めてのコラボレーションは、発売後すぐに話題を呼んだ。一弾目のテーマは「森」。《Forest cocotte》には、森に鳥たちが集う幻想的な景色が描かれた。
そして2024年2月22日、〈ストウブ〉創業50周年を記念して、第二弾のコラボレーションアイテムが発売される。テーマは「海」。《cocotte ocean》のリッド(蓋)には、海藻がゆらめく海の中、さまざまな魚がゆったりと回遊する姿が描かれている。これは、神秘的な海がもたらす豊かさと穏やかさを表現したものだという。
「第一弾の《Forest cocotte》は、森やそこに飛び交う鳥をイメージしてデザインしました。その次に来るものとして、海にちなんだ景色を描いてみたいという気持ちから、テーマは《ocean》になりました。海の景色、海の料理が似合うような鍋をデザインしたいと」(皆川 明)
デザイナーの皆川 明は、日常的に〈ストウブ〉の鍋を愛用していたという。言わずと知れた、フランスの実力派の鍋。その使い心地もよく分かった上で、自分たちができることはなんだろうか? 悩んだ末にたどり着いたのは、このコラボレーションで互いにできることを補い合い、新しい価値を創造することだった。皆川はデザイン。〈ストウブ〉には世界的に有名なココットを作りあげてきた、職人の技術があった。
このプロジェクトを始めるにあたり、皆川は〈ストウブ〉の工場を訪ね、実際に職人に会って様々な話をしたという。「この線は金型で表現できるのか? 難しければどのように改善すれば実現するのか。実際にお会いして話してわかることがたくさんありました」。
〈ストウブ〉にとっても、皆川の繊細なデザインを金型で表現するのは大きな挑戦だったという。魚や貝、海藻などの動きや雰囲気を、高い鋳造製法で再現。最後は熟練の職人の手により、一つひとつ仕上げている。
ところで、《cocotte ocean》は意外にも「ブルー」のバリエーションはない。あるのはピンクがかったベージュ「リネン」と、グレイッシュなグリーンの「ユーカリ」だ。これは、自身も料理を愛する皆川が「魚に合うハーブや、付け合わせの野菜を思わせる色を選んだ」そう。スモーキーで優しい色合いは、どんな食卓にもどんな料理にもよく馴染む。
皆川は言う。
「〈ストウブ〉の蓋を開けたときのふわりと蒸気が立ち上る感じが好きです。食卓にできあがりをそのまま運んで、蓋を開けてみなさんでわぁっと盛り上がるような、そんな時間を作れたらいいなと思っています」。
ちなみに第三弾はあるのか? との質問には「第三弾……あるとすれば、そのときのテーマは『宇宙』かもしれませんね(笑)」。