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ただのレトロ趣味ではない、40年前の東京へタイムスリップ! あの写真集の最新シリーズが登場しました。

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January 1, 2024 | Culture, Architecture | casabrutus.com

およそ40年前と現代の東京の風景を対比して大ヒットした善本喜一郎の写真集『東京タイムスリップ』シリーズ。先ごろ第3弾『東京RETROタイムスリップ1984⇔2023』が発行され、早くも話題を呼んでいる。

新旧の東京を対比して見ることができる『東京タイムスリップ』シリーズ。先ごろ第3弾『東京RETROタイムスリップ1984⇔2023』が発行されたばかりだ。

『東京タイムスリップ1984⇔2021』と続編『東京DEEPタイムスリップ1984⇔2022』は2作で累計31,500部を突破、写真集としては異例のロングヒットとなっている。2023年12月に発刊されたシリーズ第3弾『東京RETROタイムスリップ1984⇔2023』でも、同じ画角で撮影された新旧の風景が、ページを見開くごとに目を奪う。新旧の写真に添えられた簡潔な説明にも、40年間の変化が凝縮されていて興味深い。

●御茶ノ水

《御茶ノ水・神田川1984》お茶の水橋から神田川、水道橋駅方面を望む。大きな建物は順天堂大学。

●秋葉原・神田

《秋葉原・神田交通博物館1984》旧万世橋駅駅舎跡の敷地を利用した交通博物館。蒸気機関車D51の前頭部がシンボルだった。

●新宿

《新宿駅東口「新宿タイガー」1984》後ろ姿が特徴的なアフロスタイルの方は「新宿タイガー」氏では?

前2冊がSNSやテレビ、ラジオなどで話題となり、藤原ヒロシや高田文夫、玉袋筋太郎など、当時の東京を知る有名人にも紹介されるようになった。また善本自身、写真を通して新たな人間関係が広がり、新聞販売店に勤務し、派手なコスチュームで自転車に乗る配達姿が有名な「新宿タイガー」氏とも、テレビ番組の企画で初対面することができた。

●丸の内

《東京駅丸の内北口・靴磨き職人1984》当時は靴磨き職人に特例的な路上営業許可が出ていた。

●東京駅

《東京駅・ホーム1984》夕刊紙の束が重なる、どこの駅構内にもあった売店〈キヨスク〉。

●六本木

《六本木・外苑東通り1984》旧防衛庁(現〈東京ミッドタウン〉敷地)が進駐軍に接収されていたため、戦後の六本木は国際的な繁華街へと発展した。

コロナ禍を経て、徐々に人出が増えてきた23年の風景も街の記憶として残っていく。ただのレトロ趣味ではない、東京の過去と未来を行き来できるシリーズ最新作だ。

関連記事1980年代と2020年代──東京の写真が記憶を呼び起こす。
関連記事よりディープに、2020年代から1980年代の東京へタイムスリップ。

新宿・原宿・新橋など東京都心の58カ所で撮影された新旧の風景を対比して楽しめる。〈紀伊國屋書店新宿本店〉〈丸善丸の内本店〉など都内の大型書店で発刊記念プリント展示開催中(〜2024年1月下旬まで)。A4変形版並製128ページ。河出書房新社刊。2,000円。

善本喜一郎

よしもと きいちろう 1960年生まれ。東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)で森山大道、深瀬昌久に師事。83年よりフリーカメラマンとしてマガジンハウス各誌で撮影。既刊の『東京タイムスリップ1984⇔2021』、続編『東京DEEPタイムスリップ1984⇔2022』も好評発売中。

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