October 27, 2023 | Culture | casabrutus.com
これまでになかった手法で、新しい価値観を提示してきた各界の偉人たちの名言を日替わりで紹介。自然を慈しむテキスタイルデザイナー、ヨーガン レール。2014年に急逝するまで、彼が一貫して大事にしていたこと。それは「自然を破壊せず調和する」というフィロソフィーだ。
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自然がこのように美しいものを用意しているのだから、私は飾りもののような不要なものは作りたくない。
フランスでテキスタイルを学び、パリやニューヨークでデザイナーとして活躍。数ヶ月滞在する予定で訪れた日本で仕事が決まり、そのまま定住することになったヨーガン レール。1972年にスタートしたファッションブランド〈ヨーガンレール〉は天然の綿を手で紡いで手織し、植物で染めるなど、土に還らないものは使用せずに制作。環境問題から目を逸らさない実直な服づくりは多くの人々の心を掴んだ。1999年頃から生活の一部を沖縄・石垣島に移すと、これまで以上に自然の美しさ、厳しさに触れ、自分の生活に何が必要かをより意識するように。「自然がこのように美しいものを用意しているのだから、私は飾りもののような不要なものは作りたくない。」という思いとともに2006年に立ち上げた〈ババグーリ〉は、服だけではなく、自然へ還る道筋を辿る生活に必要なアイテムだけを集めて紹介するライフスタイルブランドだ。
『ヨーガン レールとババグーリを探しに行く 大切なもの、美しいもの、使えるもの』はヨーガン レールが信頼する、インドやインドネシア、岩手、大分など国内外のものづくりの現場を巡る本だ。美しい写真とともに紹介されるのは、熟練の職人や縫い手たちが脈々と受け継いできた美しい手仕事の様子。「製造過程でどうしても出る環境への影響は、単純な道具で、手仕事の速度で作られていれば、ゆるやかなはずです」とヨーガン レールは語る。〈ババグーリ〉に並ぶアイテムは見た目の美しさによって選ばれたわけではない。かけがえのない自然と調和して暮らすためのヒントがそこには詰まっている。
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