April 28, 2021 | Design, Architecture | casabrutus.com
フィンランドデザインはどのように生まれたのか? そのルーツとも呼べる、建築家エリエル・サーリネンの初期の作品群を紹介する展覧会が、7月3日から〈パナソニック汐留美術館〉で始まります。
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いまや日本はもとより、世界で高い知名度を誇るフィンランドのデザインだが、その礎を築いた人物が、エリエル・サーリネン(1873~1950年)だ。フィンランドがまだロシアの支配下にあった1900年、わずか27歳でパリ万国博覧会のフィンランド館の設計を共同で担当。これを機に独立を目指し、フィンランド国内で台頭していた民族主義の影響を色濃く受けたナショナル・ロマンティシズムの作品を次々に作り上げていく。
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民族叙事詩『カレワラ』から発想し、森の動物たちを装飾にあしらった《ポホヨラ保険会社ビルディング》(1901年竣工)や、ヘルシンキ郊外の湖畔に建てた共同設計事務所兼住居《ヴィトレスク》(1902年)など、初期のサーリネンのデザインは、自然との呼応、暮らしとデザインとの融合を目指したものが際立っており、現代のフィンランドデザインの思想にも深く関係している様子が伺える。
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7月20日からパナソニック汐留美術館で開催する〈サーリネンとフィンランドの美しい建築展〉では、1923年にサーリネンがアメリカに移住する前の、初期の建築&デザインにフォーカス。パリ万国博覧会フィンランド館のCGと100分の1模型のほか、ドローイングや写真、家具デザインなどを多角的に紹介する。
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