Quantcast
Channel: カーサ ブルータス Casa BRUTUS |
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3137

街と“つながる”渋谷のホテル〈sequence MIYASHITA PARK〉を徹底紹介!

$
0
0

August 19, 2020 | Design, Architecture, Food, Travel | casabrutus.com

東京・渋谷の最新カルチャースポットとして話題を呼んでいる〈MIYASHITA PARK〉。その敷地内にオープンしたホテル〈sequence MIYASHITA PARK〉には、「つながり」をテーマにしたユニークな提案が満載だ。公園に隣接という恵まれた環境を満喫する「都市型ホテルの新たな過ごし方」をご紹介します。

公園側の部屋からは、全長約330メートルの渋谷区立宮下公園が一望。全客室のガラス窓には、おすすめの撮影ポイントに「Hi,TOKYO!」の文字が書かれており、この文字を入れるだけで“映える”カットが撮影できる。

「都市と人とつながるホテル」をコンセプトに、8日1日に開業した〈sequence MIYASHITA PARK〉。プロデュースを手がけたのは、食のセレクトショップ〈DEAN & DELUCA〉をはじめ、〈CIBONE〉〈TODAY’S SPECIAL〉といった人気ライフスタイルショップを展開する〈ウェルカム〉。衣・食・住すべてにおいて培ってきたノウハウが随所に活かされている。

公園側から見たロビーラウンジの入り口。段差のないフラットな設計が、公園との一体感を感じさせる。

シークエンス=続く、繋がるという意味の通り、人や街との「ゆるやかなつながり」がこのホテルが大切にする滞在価値だ。それを象徴するのが4階のロビーラウンジだろう。インテリアデザインは谷尻誠と吉田愛が率いる〈SUPPOSE DESIGN OFFICE〉が担当。青々とした芝生が眩しい宮下公園に、段差や間仕切りもなくシームレスにつながっているのが気持ちいい。ロビーに併設するカフェ〈VALLEY PARK STAND〉は公園とホテルを結ぶ接点であり、宿泊者とビジターが混在してくつろげる場になっている。公園と〈MIYASHITA PARK〉内の商業施設、そしてホテルを自由に行き来して複合的に楽しめるミクストユース感がなんとも新鮮なのだ。

エントランスカフェ〈VALLEY PARK STAND〉。ツーリストとローカルをつなぐビジターセンター的存在だ。ベンチ席のサイドテーブルもケヤキの木をアップサイクルして製作したもので、公園の記憶を今につないでいる。営業時間の詳細は公式Instagramでご確認を。

●17時イン&14時アウトを実現! 居住性と遊び心が詰まったゲストルーム。

17階の「スイートルーム」は 94.7平米。リビングルームの大きな窓からは〈国立代々木競技場〉や〈新宿御苑〉、さらに西新宿の高層ビル群まで見渡せる。壮観!

6階から17階までは240室を擁する客室エリア。「感性にあふれた東京の部屋」をテーマに、客室デザインは〈Puddle〉の加藤匡毅が手がけている。主役となるのはやはり、可能な限り大きく取られた窓からの眺望だ。フレームに切り取られた景色は時を追うごとに変化し、見飽きることがない。

〈HAY〉やデンマークの名匠ボーエ・モーエンセンの家具、奈良に拠点を置く〈ニューライトポタリー〉の照明などが散りばめられているのも家具好きならニヤリとしてしまうポイントだ。渋谷の街の風景という “本物感”に負けないよう、木材やスチール、皮革など、細部まで天然素材を使用していることも、シンプルな中に豊かさを感じさせる理由だろう。

2面に取った大開口の窓が気持ちいい「ラージツイン」のタイプ。重厚感のあるカーテン生地を束ねるタッセルも本革を使用し、オリジナルで製作。

そしてホテルファンにとって感動的なのは、チェックイン&チェックアウト時間の常識を覆し、17時イン、14時アウトを実現させたこと! 朝食も12時まで食べられるので、前夜にバーで飲み明かしても安心して朝寝坊できる。もちろん早起きして午前中は周辺を散策し、ゆっくりランチを楽しんでから出発することも可能だ。この滞在時間の変化が、より活動的で有意義な過ごし方を生み出すに違いない。

エシカルな取り組みとして、使い捨てのアメニティは歯ブラシのみに。ブラシなどそれ以外のアメニティはレセプションで受け取ることができる。

●メインダイニングもミックスカルチャー。テーマはなんとシルクロード!

5階のメインダイニング〈Dōngxī〉の朝食の風景。石川、福井、東京・青梅などの契約農家から届く新鮮な有機野菜をたっぷり摂取できる。これも〈DEAN & DELUCA〉から培ってきた作り手との強いつながりゆえ。

朝食からディナーまで提供するのは5階のダイニング〈Dōngxī Restaurant & Sakaba 〉。店名は東西(ドンシー)を意味し、シルクロードがテーマ。「東と西のあいだ」にある国々の食文化を果敢にミックスした“名前のない創作料理”で、メニュー開発は長年〈DEAN & DELUCA〉のエグゼクティブ・シェフを務めていた境哲也が担当。ハーブやスパイス、発酵調味料などを合わせ、日本の良質な食材を使って一皿に仕上げる。

中国、東南アジア、中央アジア、中近東、果てはヨーロッパまで縦断し、フォーやフムス、ファラフェル、そしてタパスと縦横無尽。エッジの効いたスパイシーな料理に合わせるのは力強い個性を持つニューワールドのワイン。タパスで軽く一杯、というカジュアルな使い方も重宝しそうだ。

大人たちが集うコミュニティースペースとして活用したいバー、その名も〈sakaba〉。営業時間の詳細は公式サイトでご確認を。 

そしてバー〈sakaba〉では、いま世界的にも話題のクラフトカクテルが味わえる。NYで活躍した経歴を持つバーテンダー、宇塚健が作り出す、ワサビなど和の食材を使った一杯が実に楽しい。無国籍なスパイスフードにクラフトカクテルと、世界の食事情に精通する〈ウェルカム〉ならではの旬なアプローチ! ほかに18階のルーフトップバー〈SOAK〉などもオープン予定だ。

このホテルには、丁寧な空間づくりによって生まれる快適さと上質感、ずっと部屋にいたくなる居住空間としての成熟度など、ライフスタイルショップを成功させてきた〈ウェルカム〉ならではの手腕が詰まっている。シティホテルとリゾートのはざまとでも言うべきか、カジュアルでいてきちんと大人っぽさがあり、旅ならではの非日常感や高揚感があるのだ。長距離の移動は消極的にならざるを得ないこの時期は、渋谷の一画で束の間の非日常を楽しむのも良いかもしれない。新たに整備された宮下公園のグリーンの成長とともに、このホテルが渋谷という都市にゆるやかに根付いていくのが楽しみだ。

〈sequence MIYASHITA PARK〉

東京都渋谷区神宮前6-20-10 MIYASHITA PARK North TEL 03 5468 6131。客室は13タイプ、全240室。三井不動産ホテルマネジメントが運営するホテルブランド〈sequence〉の第一弾。年内に京都、水道橋の合計3軒が開業予定。室料1室13,300円(税サ別)〜。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3137

Trending Articles