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速報:あの “オークラ” が帰ってきた! 〈The Okura Tokyo〉9月12日開業。

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September 6, 2019 | Architecture, Design, Food, Travel | casabrutus.com

〈ホテルオークラ東京〉旧本館が53年間の歴史に幕を閉じてから、4年。いよいよ9月12日、〈The Okura Tokyo〉としてリニューアルオープンする。父・谷口吉郎が生み出した無二のロビー空間が建築家・谷口吉生の手によって見事に引き継がれた。

〈The Okura Tokyo〉は、地上41階建て〈オークラ プレステージタワー〉と、17階建て〈オークラ ヘリテージウイング〉の2棟からなる。〈大倉集古館〉を加えた三棟が六角形の「水鏡」を囲む。

建て替えのニュースが駆け巡ったのは、2014年5月。以後、国内外のクリエイターやアーティストから『なくならないで、私のオークラ!』と、惜しむ声が続々とあがり、本誌2015年1月号で「ニッポンのモダニズム建築を救え!」と題して、大きく特集。誌面のみならずムービーやドローンなどを駆使し、改修前の姿を記録に収め、オンライン上で世界へ発信した。

当時の様子はこちら

あのムーブメントから4年…。カーサは、9月12日15時の開業を目前にした〈The Okura Tokyo〉に潜入。多くの人々に愛されてきた意匠を引き継ぐと同時に、現在、そして未来のゲストの利便にも適う――継承と進化とを両立させた新・ロビーは、誰もが待ち望んでいた空間だった。

・谷口吉郎の意匠を引き継いだロビー空間

まるで生き写しのように、旧本館ロビーを完全復元。

《オークラ・ランターン》の名で親しまれた、切子玉をモチーフにした照明。大間障子の上部から繊細な光を注がせる、麻の葉紋の木組み格子。上から見ると“梅の花”のように見えるテーブルと椅子……。生まれ変わった〈The Okura Tokyo〉のロビーでも、それらの意匠は、忠実に復元されている。例えば、“木組み格子の組まれ方にミリ単位の凹凸がつけられていた”点など、唯一無二の空間を陰で支えていたディティールを丁寧に読み解きながら、職人とともに復元を行っていった。

一方で、「大花生け鉢」の背後に立つ金の間仕切りや、メザニン(中二階)へと続く印象的な階段、レセプションの木目調のバックライトなど、谷口吉生の手による新たな意匠も美しく調和している。継承された部分はもちろん、こうして新たに生み出された細部もまた、 “オークラ”にしかない魅力をこの〈The Okura Tokyo〉に宿らせている。

・谷口吉生が新たに生んだ意匠。

「メザニン」(中二階)の高さに合わせて誂えられた階段。

さらに、谷口吉生が内装を手がけた初の飲食店となる日本料理「山里」が、〈オークラ ヘリテージウイング〉の4階に。父・吉郎が手がけた〈迎賓館赤坂離宮別館 游心亭〉を思わせるような天井の傾斜、個室空間におけるダイナミックな岩の借景など、目に入る全ての部分に引き込まれるような美しさがあり、同時に居心地の良い親しさがある。〈The Okura Tokyo〉にとって、新たなシグニチャーとなるであろう空間だ。

・日本料理「山里」

障子が浮いているような美しい個室は、全5室。

・「オーキッド・バー」

〈オークラ プレステージタワー〉内の「オーキッド・バー」。

「平安の間」をはじめとした7つの宴会場、「山里」を含む8つのレストラン・バー。さらに、新設のスパやワインアカデミー。どの施設を取っても、いま、東京で出会うことのできる最上級の体験が用意されている。

「海外の模倣ではなく、世界に通じる日本独自のホテルの創造」。1962年の開業当時に掲げられたその言葉が見事に叶えられたことは、閉館の際の人々の反応が証左になったはずだ。これからさらに50年、100年と世界中の客から愛されていく、“オークラ”の新たなる一歩を、ぜひその目で確かめてみてほしい。

・「平安の間」

2,000平方メートルの広さ。壁面装飾は〈大倉集古館〉に収蔵されている国宝『古今和歌集序』の唐紙がモチーフだ。

・〈オークラ ヘリテージウイング〉5Fロビー。

旧本館「平安の間」の壁面装飾が移設された。京都西本願寺に伝わる国宝である、平安時代の和歌帖『三十六人家集』を手本としている。

・客室(一例)

〈オークラ ヘリテージウイング〉にある、庭園の風景を望めるバルコニーつきの客室「ヘリテージルーム(ビューバス)」110,000円〜(1泊1室2名、朝食込、消費税・宿泊税・サービス料別)。所在階6〜17F。〈オークラ ヘリテージウイング〉は全140室、〈オークラ プレステージタワー〉は全368室。

・会員向けに用意された応接スペース。

〈オークラ プレステージタワー〉玄関の上部に設けられた、鰻の寝床状の空間。
2015年8月31日、閉館当日に密着した『さよならオークラ、最後の日。』。

〈The Okura Tokyo〉

東京都港区虎ノ門2-10-4 TEL 03 3582 0111(代表)。2019年9月12日15時開業。〈オークラ ヘリテージウイング〉は「ヘリテージルーム」100,000円〜、〈オークラ プレステージタワー〉は「プレステージルーム」70,000円〜。

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