July 19, 2019 | Design, Architecture | casabrutus.com
ネンドの佐藤オオキが設計を手がけた〈KASHIYAMA DAIKANYAMA〉で、フロスから発表した自身の最新デザインを期間限定で展示している。
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代官山で現在、ネンドがデザインしたフロスの最新照明《SAWARU(サワル)》と《GAKU(ガク)》の特別展示が開催中。
カスティリオーニにスタルク、ブルレックにウルキオラ…錚々たる世界のデザイナーがデザインを手掛けてきたイタリアの照明ブランド、フロスでアジア人がデザインを手がけたのは、これが初めてだ。
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部屋の真ん中にごろんと置いて壁に反射する光を楽しむ《SAWARU》は、2つの円柱の組み合わせ方次第で投射角が変化。一方、四角いフレームがベースになった《GAKU》は、鏡やブックエンド、ボウルといったアクセサリーを自由にレイアウトすることができる。
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「どちらも照明器具をデザインしたというよりも、光のあり方そのものを根源から考え直したもの。僕は細部まで手をかけたい人間なので、スイッチまでデザインできたことは喜びにつながりました。デザイナーの意識の底にあるものまで、的確に引き出してくれるメーカーだからこそ実現したプロジェクトだと思う」と、佐藤はフロスの懐の深さと商品開発のクオリティを高く評価する。
「形状やテクノロジーの斬新さを謳うよりも、まだ見ぬ状況や状態をいかに作り出すことができるか。僕はそれこそがデザインの価値であり、役割だと思っています」
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展示会場となったのは、今年4月に東京・代官山にオープンしたばかりの〈KASHIYAMA DAIKANYAMA〉1階のギャラリーだ。大手アパレルの〈オンワード樫山〉が運営する同施設は、ネンドが設計した大小さまざまな形状をした箱が、微妙に角度を変えながらランダムに重なり合う独創的な建築が目を引く。
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訪れたらぜひチェックしてほしいのが、インテリアのディテールだ。建物を重ねたコンセプトをインテリアでも表現するために、建材も重ね合わせにトライ。B1は異なる種類の玉砂利を混合し、1Fはテラゾーをウッドのヘリンボーン柄にアレンジ。2Fはセメントにファブリックのテクスチャーを転写し、3Fは大理石に別の大理石の柄をプリントするなど、ネンドのこだわりが要所に見られる。
「建物の外側とも連動するように、屋外の手すりに基づいた寸法、素材で什器や照明もデザインしました。繰り返し訪れても、あるときふと『なんでこうなっているんだっけ?』と建物全体を見渡す。そんな気付きを楽しんでもらえればうれしいです」
建築、インテリア、家具、グラフィックに至るまで、一貫してデザインを手がけたからこそ、多様な要素を適切にまとめることができたと佐藤オオキはプロジェクトの醍醐味を語る。
特別展の会期は7月19〜21日までの3日間。ネンドが手がけた空間で、ネンドの最新デザインを見るチャンスをお見逃しなく!
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