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ベールを脱いだ! 新国立競技場。

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July 3, 2019 | Architecture | casabrutus.com

2020年の東京五輪・パラリンピック開幕へ向け、隈研吾ら設計による〈新国立競技場〉が、7月3日公開された。木材をふんだんに使用したスタジアムの全貌が明らかに!

〈新国立競技場〉の高さは約47.4m、完成時は約60,000席、オリンピック後は約68,000席となる予定だ。

2020年の東京五輪・パラリンピックで開会式や閉会式、陸上競技などが行われる〈新国立競技場〉。1964年の東京オリンピック時に建設された〈旧国立競技場〉の意志を引き継ぎながら、21世紀にふさわしいスタジアムとして隈研吾の設計案に基づき、木をふんだんに使ったプランを実現している。

外周の軒庇は、47都道府県から調達された木材で構成されている。

神宮外苑のあたりはもともと緑が多いエリアで、散歩やジョギングをする人たちでいつも賑わっている。道を通る人たちが見上げる位置に木材が多用されることで、落ち着いた雰囲気を醸し出す。実は、この軒庇は47都道府県から調達された木材(スギ。スギが自生していない沖縄県からはリュウウキュウマツ)で構成されているのだが、その色や木目もさまざま。スタジアム北側には北海道・東北地方の木材を、南側には九州・沖縄地方の木材というように、各地の木材を東京からの方角に合わせて取り囲む形で配置している。

アースカラーで構成された観客席が、広大な空間を美しく調和させる。

スタジアムの中に入ると目に飛び込んでくるのが、さまざまな色合いの観客席だ。実は、これらの色は白、黄緑、グレー、深緑、濃茶の5色のアースカラーで構成されている。フィールドに近い部分は濃茶など土を連想させる色を多く配置し、屋根に近い上の部分に行くに従って、白などの薄い色が増えるように配置されている。これは“森の木漏れ日”をイメージしたもので、ランダムに光が差し込む自然の様子をグラデーショナルに表現しているという。

●撮って出し! 〈新国立競技場〉のディティール。

〈JAPAN SPORT OLYMPIC SQUARE〉に設置された五輪シンボルマークから〈新国立競技場〉をのぞむ。

現在、〈新国立競技場〉は9割方完成を迎え、フィールドや歩行者デッキ、内装などの工事が行われている。竣工予定は今年11月。12月の竣工式の直後となる12月21日には、アスリートやアーティストが登場する一般向けのオープニングイベントが60,000人規模で開催される予定だ(チケット情報、販売方法など詳細は8月下旬に告知される)。

〈新国立競技場〉

2019年11月完成予定。東京都新宿区霞ヶ丘町10番1号ほか。敷地面積:約113,000㎡。建築面積:約72,400㎡。延べ面積:約194,000㎡。高さ:47.4m。鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造ほか。設計:大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所共同企業体。

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