February 6, 2019 | Travel, Architecture
数寄屋造の元料亭をリノベーションしたラグジュアリーホテル〈SOWAKA〉が京都・祇園に誕生。歴史的な意匠に現代の職人技術が重ねられた個性豊かな客室が、特別な旅を演出します。
本格的な数寄屋建築に泊まるー そんな特別な体験ができるホテル〈SOWAKA〉が京都・祇園に誕生した。大正後期から昭和初期にかけて建てられた数寄屋造の料亭を改修した本館11室と、今年1月に竣工した新館12室からなる全23室のラグジュアリーホテルだ。
2019年3月のグランドオープンに先駆け、本館が昨秋開業した。設計は、町家再生に実績のある魚谷繁礼建築研究所。施工は伝統工法を継承する工務店、亀匠。数寄屋の意匠を残しながら、現代のホテルに必要な機能を慎重に設えている。さらに野田版画工房(襖絵)、東端製作所(漆)、信州立岩和紙の里(和紙)といった作家や職人の手が加わり、新たな魅力を放つ数寄屋建築へと生まれ変わっている。
その迷路のような館内をめぐり、客室をのぞくと、空間ごとに現れる間取りや意匠のバリエーションに驚かされる。
例えば、かつて「ほら貝の間」と呼ばれたスイートルームでは、一枚板の床板、幾何学的なデザインの欄間、ほら貝形の引き手といった趣向を凝らした数寄屋造の意匠を味わうことができる。「ひょうたんの間」と呼ばれたメゾネットのデラックスルームでは、1階に本格的な三畳台目茶室が、階段をあがると檜風呂が待ち受ける。またプライベートガーデン付きで他の客室と隔絶された客室などもあり、元料亭らしい“お忍び”感を楽しめるのも魅力だ。
同じ間取りは一つとない個性豊かな客室。これは新たに生まれる新館にも共通する特色だという。一般的なホテルとはひと味もふた味も違う、歴史や技術が詰まった空間は、京都の滞在に特別なインスピレーションを与えてくれそうだ。