January 23, 2019 | Architecture, Design
新国立競技場の設計でも知られる建築家の隈研吾と〈カンペール〉が、4年ぶりにタッグを組んだ。昨年11月にリニューアルオープンしたスペイン、バルセロナのカタルーニャ広場に面する〈カンペール〉のコラボレーション・プロジェクト"Together Store"の全貌をお届けする。
"Together Store"とは、世界的に活躍するアーティストやデザイナーと〈カンペール〉がコラボレーションし、エクスクルーシブな商品やユニークな店舗を作り出すプロジェクトのこと。店舗ごとに異なる個性豊かな空間が特徴で、日本では、nendoによる新宿フラッグス店や、長坂常/スキーマ建築計画による新丸の内ビル店、ハイメ・アジョンによる表参道店など、現在14店舗が存在している。
隈研吾はミラノのモンテ ナポレオーネ店での〈カンペール〉との最初のコラボレーションから4年を経て、今回バルセロナにある〈パセオ・デ・グラシア店〉にて再び新しいストアコンセプトを打ち出した。建物と土地の関連を見出し、地域独特の木や石といった天然素材をふんだんに使い、温かみと優しさのあるやわらかなデザインを表現するというのが隈の建築哲学だ。今回も、伝統的なセラミックタイルを使用し、個々の商品を際立たせることで、スペインと日本という2つの異文化を独自の手法でつなげている。
「今回リニューアルした〈CAMPER〉の店舗は、ヴォールト状の陶板を型枠にして、床スラブを打設する"カタラン・ヴォールト"を採用した。これは、カタルーニャが生んだ画期的な建築工法であり、木製の梁で床を支えてきたそれ以前の構法に革命をもたらしたものだ。ガウディもカタラン・ヴォールトから多くのヒントを得たと言われている。このカタラン・ヴォールトのユニットで、靴を飾る棚、ベンチ、カウンターをすべてデザインし、カタルーニャならではの、暖かくヒューマンなショップが生まれた」(隈研吾)