December 30, 2018 | Architecture | casabrutus.com
〈パナソニックミュージアム〉にて、学校、幼稚園・保育園、遊び場、公園など、子どものための建築を図面や写真を用いて考察する展示が始まります。
フィリップ・アリエス『〈子供〉の誕生』によると、かつて子どもは “小さな大人” であり、徒弟などとして働く大人と同等の存在だった。それが大人とは違う人格であり、工房で修業するのではなく、学校で学ぶようになったのは近世になってからのこと。日本でも近代教育は明治に入ってから始まった。
この展覧会は学校、幼稚園・保育園、遊び場、公園など、子どものための建築の写真や資料を集めたもの。1876年に建てられた和洋折衷の〈旧開智学校〉、円形になった屋上庭園を走り回れる〈ふじようちえん〉(手塚貴晴+由比)、中谷芙二子の霧に包まれる国営昭和記念公園こどもの森の《霧の森》などが登場する。菊竹清訓の手描きの図面やイサム・ノグチ〈モエレ沼公園〉マスタープラン図面に加え、教育玩具や絵本の原画、ウルトラ怪獣のデザイン原画なども展示される。
子どもの頃に遊んだもの、好きだったものは大人になってもどこかに残っているものだ。見ていて懐かしくなったり、今の子どもたちが羨ましくなる展覧会だ。