October 27, 2018 | Architecture, Design, Travel | casabrutus.com | text_Megumi Yamashita
医療研究支援団体が運営する〈ウェルカム・コレクション〉にて、建築と健康の関係を考察する展覧会〈リビング・ウィズ・ビルディングス〉が開催中。
![](http://casabrutus.com/wp-content/uploads/2018/10/1025wellcome-01_666.jpg)
ほんの100年ほど前まで、現在の先進国にもスラム街があり、ペニシリンが誕生するまで結核は死と隣合わせの病だった。貧困や健康を住環境によって改善しようという動きは、モダニズムの台頭を弾みに世界各地に拡がっている。この展覧会はこうしたムーブメントや、近代化の象徴として建てられた高層公営住宅の流行と衰退、そして世界各地の医療関係の建物について検証する。
医療関係の建築という一見地味な内容ながら、潤沢な予算のある私設ミュージアムのこと。アンドレア・ガースキー、レイチェル・ホワイトリードなど、有名アーテュストによる作品が散りばめられているのも見どころ。アルヴァ・アアルトが設計した結核患者の療養私設〈パイミオ〉や、フォスター&パートナーズによるガン患者のサポート施設〈マギーズ・センター〉なども詳しく展示されている。
ギャラリーの2階には、医療ボランティアによる人道支援を世界各地で行っている 〈世界の医療団〉のために、ロジャース・スターク・ハーバーがデザインした可動式の医療所の実物の展示もある。建築が心身に与える影響に改めて気付かされる、興味深いに内容になっている。
![](http://casabrutus.com/wp-content/uploads/2018/10/1025wellcome-03_666.jpg)