July 10, 2018 | Design, Architecture, Art | casabrutus.com | text_Hisashi Ikai
江戸小紋の魅力を現代に伝える廣瀬染工房が、創業100年を記念し、長坂常と展覧会を開催する。
あざやかな色彩と華やかな文様が特徴的な京友禅や京小紋と比較すると、単色で落ち着いた印象ながら、非常に細やかな柄が特徴的な江戸小紋。「鮫」「行儀」「通し」に代表される緻密な柄は、伊勢型紙と呼ばれる染め専用の型紙を使うことで、江戸小紋らしい表情に仕上がる。
東京の〈廣瀬染工場〉は、高い技術力を元に、粋で美しい江戸小紋を現代に伝える工房。今年で創業100周年を迎えるにあたり、表参道
のギャラリー〈EYE OF GYRE〉にて、企画展「亜空間として形成する伊勢型紙・江戸小紋の世界」を開催する。
同展では、廣瀬染工場がこれまでに手がけてきた反物や着物のほか、建築家、長坂常の独自の解釈による反物や着物、実験的に製作。さらに江戸小紋から発想を得た家具も展示される。伝統的な染物文化が現代を代表する建築家の思考を通して、どのように絡み合うのか楽しみだ。