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千葉白浜在明治の石工と大工のセンスがすごい!

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April 20, 2016 | Vehicle, Architecture | Driven By Design 最新デザインに乗って建築巡礼。 | text_Hiroki Iijima photo_Tatsuya Mine

土木学会選奨土木遺産2005に選ばれた洋式石積み3連アーチ橋の白浜めがね橋。ドライブの巡礼地としても絶妙。これをつくった地元の石工と大工のことが知りたくなる。

上流側からの姿。アーチとアーチの間に洪水時の水圧を弱めるための水切りという突起が設けられている。
アーチが水面に映り込んでロイド眼鏡のように見えるのがめがね橋だ。橋脚の土木遺産としてはこれよりはるかに有名な〈長崎眼鏡橋〉がその典型とされるが、こちらは3連アーチということで知る人ぞ知る存在。何といってもこのカッコ良さと、下を流れる長尾川と一体になった景色の据わりの良さが見事なのだ。1888(明治21)年に地元の石工と大工によって架けられたそうで、まだ日清戦争も経験していない時代にこのデザイン、この工法を採ったのだからすごい。周りの人たちには、何やってんだかしばらくはわからなかったのではないか。

さらに言えば、橋の建造費は当時の村人たちの寄付399円40銭によってまかなわれた。それまで橋がなく歩いて川を渡っていたので、橋が架かるだけでも感激したろうに、出来上がりは世紀を超えてこれだけの説得力を持つほどになった。近ごろ話題のソーシャル事業の大先駆ということでもある。
欄干の根元の石材の表面が木目のような加工を施されている、と近所の人が教えてくれた。
当然、白浜めがね橋はクルマは通れない。人とバイクだけだ。今回はフルモデルチェンジして国内発表になったばかりのアウディA4。外観のイメージはあまり変わらないが、走り出すと驚くほど静かでスムーズ、クルマ用語よりも「美肌」系のツルツル、すべすべ、しっとり感覚と言うほうが実態に近い。そのくらい滑らかな乗り心地と操作感覚なのだ。もちろん細部に至るまでつくり込みに瑕疵はなく、見るところ触るところみな高品質。これで何の文句があるものかと思ったら、価格が500万円を超えていると。
ホイールベースが2.8M超のセダンといえば何の文句もない存在だ。
このA4やメルセデスベンツCクラス、BMW3シリーズは、その上にA6、そのまた上にA8のクラスがあって、長いこと「コンパクト」とか「3兄弟の弟分」とか言われてきた。でもこのA4に乗ってみれば、これはもはやクラス、つまり階級だの上下関係といった話に巻き込まれる類いのクルマではなく、自立した存在なのだと思う。現に同じA4でも2世代前よりはるかにサイズは大きく、パワーも高い。品質感だって当時のA6を完全に凌駕しているはずだ。21世紀のクルマが20世紀といちばん違うところはここのところかもしれないのである。
メーターパネルはさまざまな車両情報を表示するだけでなく、ナビゲーションの画面を映し出すことまでできる。
メーターパネルはさまざまな車両情報を表示するだけでなく、ナビゲーションの画面を映し出すことまでできる。

巡礼車:アウディA4 2.0TFSI

取材車はFFの2リッターモデル。このエンジンは新開発で省燃費と高出力を両立させている。実際、どんな状況でも十分な性能を発揮してくれた。渋滞時にほとんど自動運転状態に近い走行をしてくれる新機能が装備され、これは多くのユーザーに歓迎されるだろう。5,180,000円(アウディ コミュニケーション センター TEL 0120 598 106)。

巡礼地:白浜めがね橋

以前は長尾橋という名だったが、橋のたもとの石柱には「眺尾橋」とも。1888年竣工。戦時中には戦車が走行したが「ビクともしなかった」という記述もある一方、案内の石碑には「老巧と戦車が通行したため損傷甚だしく昭和52年補修、平成5年度文化財保存整備修復工事により復元」とあった。 ●千葉県南房総市白浜町滝口地先。

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