July 13, 2017 | Design, Architecture | casabrutus.com | text_Keiko Kusano
大阪・心斎橋にモルテーニの国内2店舗目となる旗艦店が登場。ミラノの住宅のペントハウスを連想させるような、心斎橋・御堂筋を見下ろすフロアには、最新のキッチンを中心とした理想の居住空間が広がっています。
イタリアを代表する家具ブランド、モルテーニ。大阪・心斎橋に誕生した新たな旗艦店は、320㎡のワンフロアの中でさまざまな暮らしのシーンを具体的にイメージできるよう、エントランスからキッチン、ベッドルーム、リビング、パティオ(中庭)にいたるまで、美しい暮らしの提案を見て回ることができる。
現在、モルテーニのクリエイティブ・ディレクターを務めるのは、ベルギー出身の建築家、ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンだ。〈モルテーニ大阪〉も〈モルテーニ東京〉と同様に、彼の率いるモルテーニのチームによって設計された。
モルテーニ創業家3代目のマーケティング&コミュニケーションディレクターを務めるジュリア・モルテーニは、ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンの魅力について、次のように話す。
「彼はもともと建築家だということもあり、家具だけを取り上げて考えるのではなく、空間全体をつねに考えています。彼が選ぶ色はとても自然な色でニュートラル。土の色や植物に近い色など、素材感を感じさせながら、いろいろなシーンで使えるように考えて選び抜かれています」
典型的なショールームと異なり、自宅にいるようなリラックスした雰囲気を出すようにレイアウトされている〈モルテーニ大阪〉。フロアには、ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンのアイコンとも言うべき中庭(パティオ)もある。彼の自宅にも同じように中庭がある。
〈モルテーニ大阪〉の大きな特徴は、眺めの良い明るい場所に、みんなが集まるようなキッチンが配置され、ダイニングエリア、リビングエリアなどのすべてが緩やかに調和し、つながっていることだ。
「最近、これまで料理をあまりしないと言われていたアメリカなどの国でも、キッチンが見直され、家の中心になってきていると感じています。世の中、予期せぬことが起こるような時代ですから、外に食べに行くよりも、友達を呼んで、自宅でゆったりとくつろぎたい人が増えているのかもしれません。メインの部屋にキッチンがあり、そこでみんなで食事をしながら楽しめるライフスタイルに変わってきているのではないでしょうか」(ジュリア・モルテーニ)
ハンドメイドの小さな工房からスタートしたモルテーニは、80余年の歴史を誇り、アルチザンの精神と伝統を大切に守り続けながら、一方で最先端のテクノロジー開発にも積極的に取り組んでいる。〈モルテーニ大阪〉で、家具と空間が織りなす調和された上質な世界観を、ぜひ体感してほしい。