June 9, 2017 | Architecture, Culture, Travel | casabrutus.com | photo_Ansis Starks text_Junko Haraguchi movie_鄭州嵩山伝奇休閑健身有限公司
中国河南省の嵩山といえば、2010年に世界遺産に登録された少林寺や中岳廟など歴史的建築物が点在する名山。その一角に、2016年「少林寺」×「飛行」をテーマにする巨大シアターが竣工。今夏、いよいよ本格始動する。ユニークなコンセプトを現地事情を交えてレポート!
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謎がいっぱいのこのシアターの名前は、〈少林和尚飛行劇場〉。「アエロディウム」と呼ばれる最新遊具が劇場中央に設置され、この垂直風洞の中では、人が風力を利用して空中に浮かぶことができる。空に浮かぶといえば、これまではスカイダイビングなど敷居が高いイメージだったが、「アエロディウム」は、15分ほどの手ほどきを受ければ誰でも簡単に空中に浮くことができる。〈少林和尚飛行劇場〉では、この設備を一般観光客の体験用に開放し、同劇場で行われるパフォーマンスショーの演出にも利用する。
「アエロディウム」の垂直風洞の下にはタービンが備えられ、上部に向かって強力な風が吹き付ける。その風に乗ってふわっと空中へ。もとは軍のパラシュート部隊の訓練などのために開発されたものだが、近年はエンターテイメント設備に転用され、特にラトビアでは、それが大変な人気を呼び観光資源になっている。2010年、中国上海で開催された上海万博のラトビア館にも設置された、国の誇る遊具。実は〈少林和尚飛行劇場〉も地元政府とラトビアの協働プロジェクトで、デザインはラトビアのアストリス・メリティスが担当している。このシアターは約93億円を投じた、建設中のテーマパークの一部だ。
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シアターでは、今秋より、「少林寺」と「飛行」をテーマにしたショーを上演予定。中国の有名観光地では大人数が出演してのパフォーマンスショーが各地で人気で、有名監督の張芸謀が演出を担当したりもしている。このショーもそうした流れの一つ。少林寺も周りには武術を学ぶ少年のための学校が多数存在し、なかでも北京五輪などにも出演した有名校〈塔溝武校〉の生徒たちが出演する予定。中国ならではの圧倒的な人数によるショーは、1年以上、構成を練りに練り、満を持して開演の予定!
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