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尾形光琳の代表作《紅白梅図屏風》と《風神雷神図屏風》が39年ぶりに競演! 熱海の〈MOA美術館〉にて。

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September 12, 2024 | Art | casabrutus.com

来る2024年11月、国宝《紅白梅図屏風》と重要文化財《風神雷神図屏風》が一堂に会する展覧会が開催。39年ぶりとなる競演を見に出かけませんか?

国宝《紅白梅図屏風》尾形光琳 MOA美術館蔵。大胆な構図はもちろん、波のうねりを大小の曲線で描いたり、梅の花の花弁を5枚まとめて丸くしたりといったモチーフの意匠化も見どころ。

画面上から下へと末広がりとなった水の流れを中央に、左に白梅、右に紅梅。ご存知、琳派の大成者として知られる絵師、尾形光琳による国宝《紅白梅図屏風》である。

毎年、梅の咲く頃に公開される名作が今年は11月にお目見え。それも、〈東京国立博物館〉が所蔵する重要文化財《風神雷神図屏風》とともに鑑賞できるとあって話題を呼んでいる。

2作品が相まみえるのは、2024年11月1日〜26日、〈MOA美術館〉で開催される『国宝「紅白梅図屏風」×重文「風神雷神図屏風」』展。1985年、同館で開かれた『光琳―特別展』以来、39年ぶりだという。

重文《風神雷神図屏風》尾形光琳 東京国立博物館蔵。風神雷神が外界を見下ろしていた宗達バージョンに対し、光琳は二神の目線が交錯するよう描いている。この作品の裏に、酒井抱一が描き加えたのが重要文化財《夏秋草図屏風》だ。image_TNM Image Archives

《風神雷神図屏風》は、光琳が私淑(ししゅく:尊敬する人物の著書や作品などを通して間接的に学ぶこと)する、琳派の創始者の一人、俵屋宗達の作品を模写したもの。二神の位置や目の表情など、細かい部分で光琳がオリジナリティを出している以外は、忠実なトレースと言える。

また、そのモチーフや構図などにおいて、《紅白梅図屏風》との関連性も指摘されている。雷神を白梅に、風神を紅梅に置き換え、その間に波を大胆に意匠化した水流を配置。2作品を見比べながら、共通点を探すのも楽しいだろう。

重文《竹梅図屏風》尾形光琳 東京国立博物館蔵。金地に墨のみを用いて、竹と梅を描いている。意匠化された梅は「光琳梅」とも。同展では、《風神雷神図屏風》以外にも、他館が所蔵する光琳作品も展示する。image_TNM Image Archives

同展では、光琳を中心に俵屋宗達、酒井抱一ら〈MOA美術館〉が所蔵する琳派作品のほか、風神雷神をテーマにした近現代の作も展示。2024年11月24日には、秋の演能会も催される。

《風神雷神図》安田靱彦(昭和4年) 遠山記念館蔵。緑色の髪をなびかせた若者は安田が考えた、鬼になる前の風神と雷神だという。

光琳 国宝「紅白梅図屏風」×重文「風神雷神図屏風」

〈MOA美術館〉 静岡県熱海市桃山町26-2 TEL 0557 84 2511。2024年11月1日〜26日。9時30分〜16時30分(最終入館〜16時)。木曜休。観覧料1,760円。

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