August 18, 2024 | Architecture, Design | casabrutus.com
イタリアを代表するデザイナー、ミケーレ・デ・ルッキが東京・六本木の〈21_21 DESIGN SIGHT〉ギャラリー3で6軒の「家」を発表します。「間(あわい)」というコンセプトを具現化したプロジェクトです。
![](http://wp2022.casabrutus.com/wp-content/uploads/2025/08/0815MicheleDeLucchi01_1312.jpg)
『六本木六軒:ミケーレ・デ・ルッキの6つの家』は彼が取り組んでいる「ロッジア」シリーズの作品を見せるもの。新作3点を含め、いずれも日本初公開となる。
会場には「家」(カーザ)と名付けられた6軒の家が並ぶ。開催地の六本木は、かつてここに6軒の武家屋敷が存在したことからその名がついたという説がある。デ・ルッキはそこからインスピレーションを得て6軒の家を作った。
今回の個展に並ぶのは木製とブロンズ製、それぞれ3軒ずつになる。木は日本では馴染みの深い素材だが、デ・ルッキは「木もブロンズもともに、人類が文明を形成し、人間性を成長させてきたもっとも古くて高貴な素材だ」という。これらの素材は人類学的な意味合いからセレクトされたものなのだ。
「ロッジア」でデ・ルッキは「間(あわい)の概念」を探究している。「間」とは家の内と外をつなぐ空間であり、内部での生活と外部の環境とが出合う場だ。「ロッジア」の壁には「間」の要素である日本の障子と、ヨーロッパの住居におけるロッジア(涼み廊下)を彷彿させるものが編み込まれている。日本とイタリアの建築文化を融合させることでより完璧なものになる、とデ・ルッキは考えているのだ。
デ・ルッキは「『ロッジア』は日本の茶室を想わせる」ともいう。
「同時に、建物の内と外に連続的な空間を作り出そうという現代建築も想起させます。自然の驚異的な力と人間のはかなさを共存させるため、建築と人と自然の関係はますます重要なものとなっています。私たちはどのように生きるか、どのようにふるまうかを新たに模索しなくてはなりません」
(デ・ルッキ)
![](http://wp2022.casabrutus.com/wp-content/uploads/2025/08/0815MicheleDeLucchi02_1312.jpg)
この展覧会は2019年、〈21_21 DESIGN SIGHT〉で交わされたミケーレ・デ・ルッキと三宅一生との対話がきっかけとなって生まれた。会場には制作過程の映像も展示される。「ロッジア」によってデ・ルッキが歩んできた道と、これから進む道が見えてくる。