April 10, 2024 | Art, Culture, Design | casabrutus.com
4月11日から〈東京オペラシティ アートギャラリー〉にて、今年90歳を迎えた、宇野亞喜良の過去最大規模の個展がスタートする。
1934年生まれの宇野亞喜良(うの あきら)は、今年90歳を迎えたイラストレーターであり、グラフィックデザイナーだ。1950年代からイラストレーターとして活動をスタート。1960年代末には演劇実験室・天井棧敷などのアングラ演劇ポスターや舞台美術を担当するなど脚光を浴びる。1990年代からは展覧会のキュレーションや舞台の美術監督を務め、近年は俳句とのコラボレーション作を発表。1999年には紫綬褒章、2010年には旭日小綬章を受章した。宇野の描き出す世界は現在でも幅広い世代やジャンルの人々から支持を得ており、その創作の勢いは留まることはない。
『宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO』は、そんな宇野の初期から最新作までの全仕事を網羅する、東京では初開催となる、過去最大規模の展覧会だ。会場には1950年代の企業広告をはじめ、1960年代のアングラ演劇ポスターや絵本や児童書、近年の俳句と少女をテーマとした絵画など、多彩で貴重な原画や資料等など、約900点を超える作品群が膨大な宇野の仕事を雄弁に語る。
1960年代の初期から現在に至るまでのポスターのほか、宇野が描いた舞台や衣装の原画、実際に制作にも携わった大道具や小道具、人形、衣装など、これまであまり展示される機会がなかった、宇野の手がけた舞台美術をまとまったかたち展示される希少な機会となる。
なお、同展では、宇野の幅広い仕事を、12のトピックでジャンルごとに紹介するという手法を採用。1960 年代、宇野は『白い祭』、『お前とわたし』、『午砲ドン』という3 本の短編アニメーション映画を発表しており、そのすべてを上映するコーナーも設けた。
“魅惑のサウスポー”と呼ばれる宇野の左手から生み出される、美しく、エロティックな世界観にどっぷりと浸りたい。