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ホテルに宿泊し、サウナでととのいながら、野球も楽しめる〈北海道ボールパークFビレッジ〉。通年遊べます!

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March 18, 2024 | Travel, Architecture, Design, Food | casabrutus.com

2023年春、北海道・北広島市に誕生した〈北海道ボールパークFビレッジ〉。北海道日本ハムファイターズの新球場〈エスコンフィールドHOKKAIDO〉を中心に、フィールドが一望できる球場内ホテルや温泉・サウナ、ルーフトップバーなどを擁し、球場を囲む一帯にはヴィラや焚き火テラス、ショップ、アクティビティといった施設が並びます。単に野球観戦する場所ではなく、スポーツの価値と北海道の価値を融合させ、人が楽しみ、学び、癒やされる場所。野球のオンシーズンもオフシーズンもさまざまな楽しみ方ができる、広大な“ボールパーク”を紹介します。

球場内ホテル〈tower eleven hotel〉からの眺め。スタジアム〈エスコンフィールドHOKKAIDO〉が一望できる。©H.N.F.

〈北海道ボールパークFビレッジ〉の核となる、〈エスコンフィールドHOKKAIDO〉は左右非対称のフォルムと一面のガラス壁が美しいスタジアム。開閉式屋根と天然芝を両立させた日本初の球場とあって、施工を担当した大林組は全国から精鋭たちを集結させたそうだ。「最大スパン約160mという大スケールの開閉式屋根と、固定屋根とが共存するスタジアムの施工は前代未聞。誰も経験したことのない難工事だった」と言う。

ガラス壁から差し込む光に、天然芝の鮮やかな緑と香り、開放感のある360度回遊型のコンコースと、スタジアム内は五感を刺激する空間が広がる。また、新たな観戦体験ができる、5階建てのビル〈TOWER 11〉がレフトスタンドの一部に収まる造りは、これまでの球場の既成概念をくつがえす。

●アジア初のフィールドが一望できる球場内ホテル〈tower eleven hotel〉

「BASEBALLISM」とのコラボルーム。壁にはアート作品が飾られている。©H.N.F.

〈TOWER 11〉の最上階4階にあるのが、球場内ホテル〈tower eleven hotel〉。客室からはフィールドが一望でき、ベランダのチェアでくつろぎながら試合を観戦できる贅沢なロケーション。試合がない日は、レアな練習風景に遭遇できるかもしれない。

フィールドビューとマウンドビューから成る全12部屋の客室は、すべて異なるコンセプトを持つ。ダルビッシュ有選手と大谷翔平選手をモチーフにした「DARVISH & OHTANI suite」「DARVISH & OHTANI premium maisonette」、アメリカ発祥のベースボールボール・ライフスタイルブランド〈BASEBALLISM〉とコラボレーションした「BASEBALLISM」など、それぞれのテーマに合わせたルームスタイリングが施されている。

また、さりげなく野球を感じるデザインの特注家具、〈ノースフェイス〉などを手がけるゴールドウィンのブランド〈ニュートラルワークス〉の寝具などを取り入れ、楽しくも心地よい空間作りにもこだわった。

客室が並ぶ廊下は、バッターボックスを思わせる遊び心のあるデザイン。©H.N.F.
ホテル滞在者は、球場全体を見渡せるルーフトップで観戦することも可能。©H.N.F.

〈tower eleven hotel〉公式サイト

●世界初の球場内温泉〈tower eleven onsen & sauna〉

〈ととのえテラス〉では、露天風呂気分を味わえる。浴槽の隣にある水風呂は季節などの条件により、12~19度の間で温度調整される。©H.N.F.

〈TOWER 11〉の3階に位置するのは、世界初となる球場内天然温泉&サウナ〈tower eleven onsen & sauna〉だ。内湯はマジックミラーが貼られ、浴槽から試合を見ることができる。天然温泉は開業にあたり、球場の敷地を1,300mほど掘って湧きだしたもので、このエリアに多い茶褐色のモール泉。

そして、内湯から休憩や軽飲食ができるバーゾーンを抜けると、フィールドを見下ろせる半屋外の〈ととのえテラス〉へと続く。ここはサウナ室と水風呂、天然温泉、休憩スペース、24席の〈ととのえテラスシート〉から成るエリアだ。

野球のバットをモチーフにした手すりなど、球場内サウナならではのデザイン。

サウナ室はととのえ親方の施工チームが手がけ、監修はととのえ親方自身が担当。いかにフィールド全体を見渡せるかにこだわり、窓面を最大まで広げたという。また、サウナ室内の木材は、野球のバットに使われるアオダモ、ヤチダモを使用している。昨年11月11日の「ととのえの日」に発表される『SAUNACHELIN(サウナシュラン)2023』では、特別賞を受賞した(運営会社:SQUEEZE)。

〈tower eleven onsen & sauna〉公式サイト

●一棟貸し切りの〈VILLA BRAMARE〉

「Hillside Villa」は2階建てのため、窓からの四季折々の景色をより楽しめる。そのうち一棟は愛犬と宿泊でき、スベりにくい床材を使用したり、ゲージやペットグッズ、犬用ベッドなどを設置したり、と設備も充実。 (C)藤井ビル

約32ヘクタールという広大な敷地内には、別荘のようなヴィラもある。目の前に沢が広がる「Waterside Villa」と、小高い丘に佇む「Hillside Villa」の計9棟を擁する〈VILLA BRAMARE〉。「Waterside Villa」は特注でリトアニアから取り寄せた大開口の窓や、広々としたデッキから水辺越しの〈エスコンフィールドHOKKAIDO〉を臨むことができる。

浴室にはジェットバスと水風呂を設置。北海道産出身のヘアメイクアップアーティスト・田中誠太朗が手がけるライフスタイルブランド〈クロノシャルム〉とコラボしたアメニティも。 (C)藤井ビル

客室は北海道産のカラマツを使用した、温もりを感じる空間。ダイニングテーブルやソファ、クローゼットといった家具類も、道産のナラや桜などを使い、職人がひとつずつ手作業で仕上げたという。また、全棟にプライベートサウナとジェットバス、専用庭を備えている。

〈VILLA BRAMARE〉公式サイト

●焚き火もBBQも!〈BALLPARK TAKIBI TERRACE ALLPAR(オルパ)〉

焚き火越しのスタジアム。手ぶらでグランピング、デイキャンプが可能。©POWERSTATION

焚き火を囲めば、そこは「リビング」になり、農園は「冷蔵庫」に、サウナや温泉は「バスルーム」、スタジアムは「庭」になる。〈北海道ボールパークFビレッジ〉全体がわが家となる体験を提供するのが、〈TAKIBI TERRACE ALLPAR(オルパ)〉のコンセプトだ。

「道産玄米牛とラムチョップのアメリカンバーベキュー」(4,400円)。テラスに備え付けのアウトドアグリルで楽しめる。©POWERSTATION

敷地内に並ぶのは、管理棟の「TAKIBI BASE」と宿泊棟「TAKIBI TERRACE」の8棟。「TAKIBI TERRACE」の大きなウッドデッキで仲間や家族と焚き火を囲んで語り合い、大自然の中でバーベキューを堪能して、夜はロフト式ベッドに並んで寝転ぶ。そんな楽しい“家族団らんのひととき”をかなえてくれる場所でもある。

また、アメリカンスタイルのバーベキューを楽しめる、ウェーバーのバーベキューグリルは〈オルパ〉のこだわりのひとつ。火力が強くビッグサイズなグリルは、北海道の野菜を丸々焼き、うまみを閉じ込めた状態で食べてほしいとの願いで取り入れたそうだ。

〈BALLPARK TAKIBI TERRACE ALLPAR〉公式サイト

●フィールドが一望できる世界初クラフトビール醸造レストラン〈そらとしば by よなよなエール〉

球場内で、まるでビアガーデンのような気分を味わえる〈そらとしば by よなよなエール〉(2023年撮影)。©H.N.F.

球場内の醸造所で作られたクラフトビールを楽しめるのが、〈そらとしば by よなよなエール〉。提供される6種類のビールのうち、3種類は球場でしか味わえない限定のオリジナルビールだ。

特筆すべきは、圧倒的な景観。センターバックスクリーン真上に位置するルーフトップエリアは、非常に開放的でフィールド全体を見渡すことができる。ほかにも醸造所の見えるレストラン、フィールドと同じ高さでセンターフェンス越しに観戦できる「バッターズアイラウンジ」と、ほかにはないシチュエーションでできたてのビールを味わえる。まさに、世界でも〈エスコンフィールドHOKKAIDO〉でしかできない贅沢な体験だ。

〈そらとしば by よなよなエール〉公式サイト

●北海道初出店のベーカリー〈Truffle BAKERY BAKERY & RESTAURANT〉

沢沿いに立つ〈Truffle BAKERY BAKERY & RESTAURANT〉。Ⓒ昭和住宅

東京でも人気のベーカリー〈TruffleBAKERY〉の北海道初出店。国内最大級の広さを持つ店内のインテリアスタイリングは、作原文子が手がけた。

北海道産小麦と水で焼き上げる数量限定の定番「白トリュフの白パン」や、白パンを北海道でだけエッグベネディクトとして提供するなど、ここでしか食べられない味にもこだわる。限定商品は、店内の約80%にものぼるという。

また、初のレストランもオープン。北海道の食材を取り入れ、そのおいしさや、新たな素材の楽しみ方を発見できるような料理が提供されている。

〈TruffleBAKERY〉公式サイト

■サポーズデザインオフィスによる〈七つ星横丁〉

昭和のレトロな雰囲気と今っぽいデザインが融合。©H.N.F.

「人が集い、食を通して、人と人が仲良くなる場所」、「知らない人とも会話が弾む場所」をコンセプトに、自由な楽しみ方ができる空間を目指した〈七つ星横丁〉。デザインは、サポーズデザインオフィスが手がけた。看板やテーブル&イスなど、ポップでレトロなプロダクトは見ているだけでもワクワクする。

横丁の入口には提灯がぶらさがり、北海道初出店8店舗を含む、全10店舗が軒を連ねる。試合後も飲んで食べて語り合える、貴重なエリアだ。

建物となじむ店作りを目指し、店内の什器、レイアウトにこだわった〈ザ・ノース・フェイス〉。

エリア中心に位置する〈THE LODGE〉は、“情報発信基地”として近隣地域の魅力を発見できる場所。自然豊かな北海道や〈北海道ボールパークFビレッジ〉の過ごし方を豊かに広げる〈ザ・ノース・フェイス〉や〈スペシャライズド〉、北海道の特産物を扱う〈HUB〉、地元で愛されるカフェ〈POOOL〉などが並ぶ。

自然に溶け込む温かみのある建物は、北海道産カラマツ、道南杉、江別のれんがといった地元の資材を活用。雄大な山脈を意識した切妻型屋根、赤レンガと道南杉をメインにした外観が〈エスコンフィールドHOKKAIDO〉となじむ。

働く人や人生をテーマにした壁画アート集団〈Over Alls〉の受賞作。〈そらとしば by よなよなエール〉の近くに展示されている。

球場内のあちこちにはアート作品も点在する。これは次世代アーティストの発表の場を提供したいという目的で、39歳以下の作家を対象に開催したコンペ『ART PRIZE』から選出されたものだ。ふらりと歩く中で、アートと偶然出会うのもおもしろい。

アメリカの球場文化を彷彿させるエンタメ性の高さや、遊び心、時代に合わせたアクティビティが確かにここにはある。その背景には地域にあるものを有効に生かし、地元の企業や人々とコミュニケーションを取りながら、地方の魅力を引き出し還元する真摯な姿勢が垣間見える。

オフシーズンは雪に覆われる〈北海道ボールパークFビレッジ〉だが、年間を通じてさまざまなイベントが用意されている。特にオススメなのは、約1時間のスタジアムツアー。チームロッカーやミーティングルームまで見学可能のプランもある。プロ野球開幕が目前に控えるいま、ぜひさまざまな形で〈北海道ボールパークFビレッジ〉を楽しんでみたい。

〈北海道ボールパークFビレッジ〉

北海道北広島市Fビレッジ。営業時間、定休日は各店舗により異なる。

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