February 19, 2024 | Food, Travel | casabrutus.com
日本で唯一、スペシャルティコーヒーに認定された農園が3つもあり、沖縄がコーヒーの一大産地になる未来はそう遠くない。独自のコーヒー文化が発展している中、なかでも高い人気を誇るという2軒のコーヒー店を、那覇でお酒やお茶、道具など「飲む」にまつわる専門店〈LIQUID THE STORE〉を手がける村上純司さんに教えてもらいました。
・〈豆ポレポレ〉|焙煎の世界大会2位の実力で、日本の焙煎界をリード。
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コーヒーの焙煎の技術を競う世界大会『World Coffee Roasting Championship』にて、2019年に世界第2位、2023年は世界第4位に入賞している仲村良行さん。国内外で行われる競技会や品評会の審査員も務め、日本の焙煎業界を牽引する存在だ。
スペシャルティコーヒー豆の自家焙煎店〈豆ポレポレ〉があるのは、コザ(沖縄市)の〈中央パークアベニュー〉。スペシャルティコーヒーとは生産や管理が徹底された高品質のコーヒーのこと。ヤシの街路樹と白いアーケードが美しい、かつての繁華街で、個性的な店も多くレトロな雰囲気と共に楽しめる。店舗があるのはステーキハウス跡で、外観も内観もそのまま活かされている。
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「日常の仕事と競技会は同じ。どういう味を表現したいか、その技法がわかればどんなものも可能です。おいしさに特化して、もっとギリギリが攻められます」と仲村さん。
競技は同じ豆、マシンを用いて、同じ時間で、事前に申告した目指す風味や特性に仕上がっているかを競うものだ。日々、コーヒー豆とマシンに向き合い、研鑽を重ねている姿が清々しい。
「競技会があるからここまで突き詰められるのかもしれません。ありえないくらいの失敗の先に正解があるかもしれない。これが本当に最高なのかと問い続け、いろいろなものにアンテナを張って、ヒントを探しています」
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店内には約15種類ほどの豆がずらり。定番のブレンドが6種類、シングルオリジンがその時々で数種類。悩んでしまいそうだが、ドリンクで味見したり、スタッフに相談するのもいい。また手軽で簡単なアイテムとして、ティーバッグ型のコーヒーバッグ(熱湯につけておくだけ)やカフェオレベースもあって、楽しみ方もいろいろ。
2024年夏には、同じ沖縄市内の高原エリアに焙煎所を移転し、この場所はカフェとして営業する予定だ。新たな場所では同様に焙煎所にスタンドを併設するという。那覇から少し足を伸ばして、コザでコーヒーブレイクを。
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豆ポレポレ
沖縄県沖縄市中央2-7-46 。12時〜17時。不定休。基本的に土曜・日曜・月曜休が中心だが事前に確認を。Instagram:@mamepolepole・〈COFFEE potohoto〉|市場とアジアをコーヒーでつなぐ。
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これはヤバい! トロッと甘く、口に含んだ瞬間に濃縮したチェリー感がほとばしる。「酔えるエスプレッソ」と村上純司さんが薦めるのが、焙煎士の山田哲史さんが淹れた〈台湾 阿里山 香香久溢農園〉産SL34種とゲイシャ種のエスプレッソ。台湾の国際品評会で入賞したコーヒーだ。
「この豆は28日間乾燥をかけたスロードライ。ひと口でコーヒーが育った環境がすべて脳裏に入ってきます。阿里山は烏龍茶の産地でもあって、発酵の技術がすばらしい」と山田哲史さん。
山田さんが営む〈COFFEE potohoto〉は、沖縄でいち早くスペシャルティコーヒーの自家焙煎をはじめた珈琲専門店で、2012年から台湾やインドネシアなど、東アジア地域の珈琲豆を独自に開拓する。良質なコーヒーをただ追求するのではなく、産地やその背景にある文化を伝えていきたいという。
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コーヒーはフレンチプレスで提供。豆本来の味わいを楽しめ、飲み比べにも適しているからだ。またバリスタの腕が光るカプチーノやカフェラテをはじめ、程よい甘さがクセになる「黒糖練乳カプチーノ」、生クリームとチーズをたっぷり使った「ティラミスカプチーノ」など、バリエーションも豊富。
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店舗があるのは那覇市内、ゆいれーる安里駅近くの〈栄町(さかえまち)市場〉だ。120店舗が集まる商店街で、夜は飲み屋街になることでも知られる。開業時は2.5坪の小さな店だったが、1年ほど前に、同じ市場内に移転リニューアルした。
「いい豚肉を扱う肉屋や刺身屋もあって、最近、若い子が鰹節屋を出したばかり。生活に必要はものは大体揃います。またパン屋、洋菓子店、和菓子店、飲食店も多いので観光の方も楽しめると思います」
市場内の商品は、持ち込み可能。古き良きノスタルジックな市場と共に、コーヒーを味わいたい。
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