January 12, 2024 | Design | casabrutus.com
陶芸家・小野象平が個展『超線‐Borderless2024‐SHOHEI ONO』を開催。2024年1月13日〜1月28日の期間で、表参道〈CIBONE〉に作品が展示・販売されます。
高知県香美市を拠点に作陶を続ける小野象平。その最大の特徴は、自ら山に土を掘り、釉薬の原料も一から手掛けることだ。うつわ作りの工程全てを自分で行うことで生まれる表情豊かな作品は、今回の個展のタイトルにある「ボーダレス」という言葉の通り、年齢、性別、人種を問わず愛されている。
高知の赤土に、杉などの灰や鉄分を融合することによって複雑な表情を生み出した《青灰釉》。日本の伝統的な志野釉に鉄分を加え焼成した《黒志野》など、これまでの作品はもちろん。本展に合わせて制作したシリーズも発表。新作となる《白鉄釉》と《緑化粧》は、ともに荒土と過剰に金属を加えた釉薬で長時間焼き上げ、荒々しくも繊細な印象を持っている。
「僕のうつわに使われる、熱に弱い金属(酸化鉄の粉末) は、釉薬に大量に加えれば色味やその表情は不安定になります。そして長時間、窯を焚けば焚くほど 掘ってきた土は1250度の窯の中で裂けたり、割れたりしてしまいます。 それでも僕が目指す先にあるやきものは、教科書や教えられてきた技法を超えることにより、見たことのない面白い表情が生まれ、新しい表現になる事を信じています」と小野。
常にうつわの可能性を広げ、作陶を続ける小野象平。今回の個展は、その現在地を知ることのできる、またとない機会となるはずだ。