December 8, 2023 | Food | casabrutus.com
2021年秋のオープン以来、ブランドの世界観と共にコンテンポラリーなイタリア料理を満喫できる場所として人気を博す〈グッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ トウキョウ〉。まだ、あまり知られていないが、レストラン併設のバーでは2023年春から、軽い食事やスペシャリテも提供している。
〈グッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ トウキョウ〉(以下、〈グッチ オステリア トウキョウ〉)はミシュランガイドで3つ星、「世界のベストレストラン50」で2度世界1位に輝いたシェフ、マッシモ ボットゥーラとグッチによるレストランで、こちらも東京版のミシュランで1と星に選ばれたエレガントなレストラン。同フロアにあるバーはウェイティングとしてはもちろん、バー単独での利用も可能だ。カクテルの他、軽食やスイーツもオンメニュー。スペシャリテのパスタもあり、カジュアルながら充実の内容。最高の食材を引き算の美学で仕上げれば、こんなにも奥深い味が生まれるのかと圧倒される。
地産地消を掲げつつ、コンテンポラリーなイタリアンを創作するボットゥーラの哲学を東京で表現するのは、ボットゥーラの下で、さらにはコペンハーゲン〈ノーマ〉などでも腕を磨いた東京店のヘッドシェフ、アントニオ・イアコヴィエッロだ。彼もまた、日本というテロワールを意識し、日本の食材を用いながら、この土地でしか作れない料理を生み出す。
コースのみの提供となるレストランではスープとパスタが絶品の「ラーメンになりたいパルミジャーナ」が大評判だが、バーの必食メニューは「エミリア バーガー」だろう。もとはイタリアにおけるブランド牛の代表格、キアニーナで作られたものを、東京店ではサシより旨みが強い熊本産の赤牛など、時期や入荷状況により、その時々にヘッドシェフが見つけた日本産の牛肉を使用。みんなに親しまれるアイテムをナチュラルでガストロノミックに変身させた一品だが、ファストフードらしい、かぶりつく快感はしっかりある。
ヴィンテージのグラッパをはじめ、日本のウイスキーなどの食後酒も豊富。フレッシュなフルーツを使ったカクテルもレストランで出される料理同様、厳選素材を用い、考え抜かれたレシピで作る渾身の一杯であり、アルコールあり・なしのバリエーションも用意されている。
カウンターをメインとする屋内、天候がよければテラスも気持ちいい。ランチタイムに、また夜の部は16時から開いているので、レストランでの食事前にアペリティーヴォを楽しむのもいい。
また、室内装飾やメニューのデザインなど、すべてのアイテムに徹底された〈グッチ〉の美意識に触れられるのも、この店ならでは。
東京を拠点に活躍するアーティスト、ヒグチユウコの壁画に覆われたレストラン専用エントランスから入った瞬間、まさに別世界へと連れて行ってくれる。特別な日はレストラン、デイリーにはバーと使い分けるのもいいだろう。