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セルジュ・ゲンズブールの私邸が公開に!

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November 18, 2023 | Culture | a wall newspaper

セルジュ・ゲンズブールが暮らしたパリの私邸が一般公開。新設のミュージアムとともに、彼の過ごした時間を追体験。

MAISON|時が止まったかのような家族のプライベート空間。

書物で溢れる書斎。1991年の撮影だが今も当時のまま。(c) Pierre Terrasson, 1991

歌手、作詞・作曲家、俳優として異彩を放ち、奔放なスタイルで人々を惹きつけたセルジュ・ゲンズブール。その生涯を後世に残す記念館〈メゾン・ゲンズブール〉が、満を持して誕生した。彼が他界した1991年以降、娘のシャルロット・ゲンズブールが当時のまま残していた私邸の扉を開き、向かいにはその人生を映像やコレクション、資料が語るミュージアムを開設。彼がピアノを弾いていそうなバーや、書籍やディスクを扱うブティックも併設する。

MUSEUM|マルチな才を発揮したゲンズブールの軌跡を辿る。

右にゲンズブールの軌跡を紹介する動画が。左は写真や手紙、譜面などを飾る展示スペース。(c) ADAGP, Paris 2023. (c) Alexis Raimbault pour la Maison Gainsbourg, 2023

シャルロットにとっては母ジェーン・バーキン、姉ケイト・バリーとともに暮らし、両親の離別後は父と二人きりで週末を過ごした家。彼女はその時を止めたまま来訪者を迎える決心をした。オーディオガイドのシャルロットのささやくような声に導かれて、かつて来客を迎えたサロンに入る。楽器や新聞、奇妙なオブジェが溢れる空間には、「孤独な家。父は孤独を好まなかったけれど」と娘が語る、彼の社交性と孤独とが交差する。つけっぱなしだったというTVのあるキッチンは、調味料や記念日に開けた空のワインボトルが並ぶ。

セルジュ・ゲンズブール Ulf Andersen/Getty Images

2階には、ゲンズブールが没頭した医学書や美術書で溢れる書斎が。わずかしか持たなかったワードローブ棚も。ジェーンが去った後の私室は「父が古い人形を買い集めて並べた」という。さらに、楽しい思い出と悲しみが混在するバスルームと寝室で訪問は終わる。

シャルロットのささやきとともに体感する家に、誰もが去り難い感傷を覚えるだろう。この新たな名所を通して、ゲンズブールの生きたパリの時間をじっくり味わいたい。

生前から落書きで覆われる私邸の壁。この記念館はサンローランとパートナーシップを結んでいる。ミュージアム、カフェバー、ブティックは自邸の斜め向かい。(c) Alexis Raimbault pour la Maison Gainsbourg, 2023

〈MAISON GAINSBOURG〉

14 bis rue de Verneul 75007 Paris。受付を通過した後、同じ通りの向かいの私邸へ。各営業時間はサイトを確認。私邸とミュージアムは要予約。月曜休。

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