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【今週の花と器】フォックスフェイスと〈TOSHIKI〉の《セラミックバッグ》|11月

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November 6, 2023 | Design | casabrutus.com

11月1週目の担当は、ショップを持たないアトリエスタイルの花屋〈フィオーレ・ソフィッタ〉で活動する三嶋春菜さん。ハンドペイントが施された陶器と工業的なロープの組み合わせが斬新な器に、フォックスフェイスを活けました。緑から黄色へ変化する実ものは、秋の深まりを実感させてくれる旬のセレクト。まったく個性の異なる花材を組み合わせるときのコツや楽しみ方を聞きました。

秋の深まりを感じさせてくれる紅葉。街路樹もどんどん変化していきますよね。今回選んだフォックスフェイスは、季節の変化を体現するように、緑から黄色に色づいていく途中のものを選びました。その名前の通り、キツネの横顔のようなかたちもファニーです。ハロウィンがまさにそうですが、秋は、翌年の豊作を祈る収穫祭が行われる時期。実りの秋、ともよく言いますよね。なので「実」のなるものを飾りたいなあと思ったんです。

今回の器は、持ち手にもなるロープやその先に付くコルクの玉など、異なる部材を組み合わせたようなデザインに面白さがあります。なので、花材選びも、形や質感がまったく違うパーツを集める意識で楽しみました。器の口が広く、フォックスフェイスは実に重さがあって倒れやすいので、剣山を使っています。

フォックスフェイスの「キツネ」から連想して、尻尾のようなぺニセタム(ファーリー)を合わせました。ふさふさとした質感には秋らしい風情もありますよね。形はそれぞれ全然違うものですが、色はグリーンと黄みがかったトーンでまとめています。器にしても、花の組み合わせにしても、個性が強いもの同士を掛け合わせるとき、色も形もバラバラに、と全部乗せをしていくと「ドヤ感」が出てしまうことがある。だから、自分のなかで、リンクさせる要素を決めておくといいと思います。今回は色に統一感があります。個性的な花たちに、ここはさすがに協調性を持ってね! とルールを作るイメージです(笑)。

●今週の花:フォックスフェイス

キツネの顔のような造形が目を引くフォックスフェイス。晩秋に果実をつけるナスの仲間で、茎にはうっすらとうぶげのような毛が生える。切り口を水に付けなくてもしおれづらく、果実を切り離してオブジェのように飾ることもできる。

●今週の器:〈TOSHIKI〉の《セラミックバッグ》

M/M(paris)やJW アンダーソンらとコラボレーションしてきた八木沢俊樹によるクリエイティブスタジオ〈トシキ〉。その初の陶芸作品の制作プロセスでは、古典的な技法と最新技術を融合させた。3Dプリンターで作り出した原型を石膏で型取り、そこに水と粘土を混ぜあわせた泥漿(でいしょう)を流し込む、鋳込み成形。八木沢本人が3Dのモデリングから焼成までの全工程を群馬のスタジオで行う。〈TOSHIKI〉の《セラミックバッグ》φ18×H18cm(ロープ含まず) 45,000円(TOSHIKI https://toshiki.studio

三嶋春菜|みしま はるな

ショップを持たないアトリエスタイルの花屋〈fiore soffitta〉でフローリストを務める。ウェディングやパーティ、ショップの装花をはじめ、ギフトや日常に寄り添うお花のオーダーをオンラインで受け付けている。

〈fiore soffitta|フィオーレ・ソフィッタ〉

店舗はなく、オーダーについては公式サイトをチェック。インスタグラム @fiore_soffitta 

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