September 29, 2023 | Travel, Architecture, Art, Food | casabrutus.com
福岡空港、博多駅からともに15分。各都市から抜群のアクセスを誇る博多の天神大名地区に、〈ザ・リッツ・カールトン福岡〉が開業した。ラグジュアリーホテルの中でも最高峰と名高いザ・リッツ・カールトンが魅せる、福岡ならではの魅力とは?
⚫︎国際都市・福岡が待ち望んだラグジュアリーホテル。

2023年6月、福岡の新しいランドマーク〈福岡大名ガーデンシティ〉内に、〈ザ・リッツ・カールトン福岡〉が開業した。ザ・リッツ・カールトンブランドは2020年開業の日光に引き続き6件目。九州へは初進出となる。実はそれまで、煌びやかなイメージとは異なり、福岡市内にラグジュアリーホテルはほぼ存在しなかった。それゆえ、国際都市・福岡にふさわしいラグジュアリーホテルの誕生は大きな話題を呼んだ。
〈ザ・リッツ・カールトン福岡〉は、福岡の魅力が満載のホテルだ。空港や博多駅から各々車で15分でアクセスは抜群、19階から24階までの高層階にあり、ロビーやゲストルーム、プール、バーのテラス席などあらゆるスポットから福岡市の市街と博多湾が一望できる。そして、館内にある4つのダイニングでは、豊かな九州の食材を使った美食が楽しめる。
⚫︎都市型ホテルにふさわしい、洗練されたデザイン&アート。

ホテルのデザイン監修を担当したのは、オーストラリア・メルボルンに本社を構えるLAYAN Architects+Designers。〈ザ・リッツ・カールトン日光〉のデザイン監修も担当した。博多の伝統工芸品「博多織」からインスピレーションを受け、エントランス、照明、アートなど館内のそこかしこに博多織の意匠が取り入れられているのが印象的だ。
たとえば、アライバルロビーには、日本最古の神社のひとつ〈宗像大社〉の歴史を物語る3つの場所を表したアートワークを展示。流れるような無数の縦糸に墨染を施した作品は、見つめる角度により姿を変え、日本のはじまりの情景を表現する。

ゲストルームの主役は、なんといってもその景色。部屋に入ると、大きな窓から市街と博多湾の見事なビューが目に飛び込んでくる。夕日に照らされた海や朝焼けの中のビル群。角度によっては、大濠公園や能古島、海の中道など福岡の名所も見渡すことができ、時間の経過とともに移り変わる景色はゲストを飽きさせない。

⚫︎九州産の食材をふんだんに使ったダイニング。

館内には、4つのレストランと2つのバーがある。“食の都”と呼ばれる福岡には九州中の厳選された食材が集まるが、中でも日本料理の「幻珠」では、年間わずか900頭しか出荷されないため“幻の銘牛”とも呼ばれる壱岐牛を、素材の味を活かす鉄板焼きで食べることができる。壱岐牛は和牛古来の味を残していると言われ、赤身の味が濃く、さっぱりした脂が特徴。「ぜひロースも試してください」と鉄板焼料理長の谷口祐卓さんは言う。博多の夜景をバックに壱岐牛のステーキや玄界灘で獲れる新鮮な魚介類、唐津の農園から取り寄せた野菜などを目の前で焼いてもらえるラグジュアリーなひとときは、何ものにも変え難い。

「幻珠」では他に北青山の〈鮨 将司〉山口将司氏が監修した「幻珠 by 鮨 将司」や、会席料理長の中島弘貴氏が腕をふるう和会席など、バラエティに富んだメニューが揃う。他にも、「Farm-to-Sky 地産地消」をコンセプトにした洋食レストラン「Viridis」、軽食やアフタヌーンティーが食べられるカフェ「Diva」もあり、連泊しても楽しいラインアップになっている。

⚫︎博多銘菓がカクテルに!? No.1人気のバー「Bay」。

最上階の24階には、すでに福岡の人気スポットになったバー「Bay」がある。博多湾を行き交う船からインスピレーションを得て、入り口は船室に入っていくような設えに。メインバーに入ると、ガス灯の光に照らされてオープンキッチンが浮かび上がる。目の前で調理される炭火焼きと、オリジナリティー溢れるカクテル。フルーツや野菜、煙を使ったものなどアイディアもののミクソロジーカクテルはどれも飲んでみたくなるが、注目はあの博多銘菓をイメージしたというミルク風味の一杯。生クリームと白餡を使用したクリーミーな舌触りとあの親しみのある味わいには、思わず笑みが溢れてしまうはずだ。

福岡を訪れるとき、夜の街として名高い市街に繰り出すのはもちろん一案だけれど、〈ザ・リッツ・カールトン福岡〉はそれでも一日中篭って過ごしたくなる魅力に溢れていた。ザ・リッツ・カールトンが展開する“都市型ラグジュアリー”を体験しに、ぜひ訪れてみてほしい。
