January 30, 2020 | Design, Architecture, Culture, Food, Travel | casabrutus.com
ホテル急増中の京都にあって、登場する前から注目を集めてきたのがハッリ・コスキネンが手がけるカプセルホテル〈マヤ ホテル キョウト〉。その1階には世界初進出となったアルヴァ・アアルトの世界観に浸れる〈カフェ アアルト〉が同時にオープン。フィンランドの風を感じさせる2つのスポットから、優れたデザインをチェック!
●京都に誕生した最先端デザインホテル。
![](http://casabrutus.com/wp-content/uploads/2020/01/0127majahotel02_666.jpg)
家具や食器、照明、テキスタイルなど様々なプロダクトを手がけるデザイナーとして、世界的に活躍するハッリ・コスキネン。とはいえカプセルホテルをデザインするというのは、彼にとっても初めての取り組みだったという。「とてもユニークなプロジェクトを聞いて、驚くと同時にワクワクしました。グレートジャーニーのようだって」と振り返る。既存の建物にカプセルホテルという空間的な制約をクリアすべく考えたのは「居心地がよくて暖かい、家のような体験を作ること」。ホテルの名前はフィンランド語で小屋を意味する「MAJA(マヤ)」。客室はもちろん館内には木を多用し、温もりを演出。「hut(ハット)」と名付けられた客室は家を象徴する三角屋根を取り入れて、視覚的に伝わるデザインであると同時に、客室の中では空間的なゆとりも生み出している。
●ハッリ・コスキネンが手がけた、細部まで見逃せないデザイン性。
![](http://casabrutus.com/wp-content/uploads/2020/01/0127majahotel09_666.jpg)
ホテル内では内装に加えて、コスキネンがデザインした様々なプロダクトも目にすることができる。京都の街並みのように連なる家をモチーフにしたテキスタイルは、カーテンやベッドリネンに。タイマーのついた調光やコンセントプレート、優しい手触りのハンガーフックなどは、十分な機能性を備えつつも「Hut(ハット)」のミニマムさを損なわない。「ハットが目的とするのは喧騒から離れ、休み、眠るための居心地のいい小さな空間。そのためには必要なテキスタイルはマリメッコでないと作れなかった」というように、細部の一つひとつまで含めての作品なのだ。
●〈カフェ アアルト〉の世界2号店も併設!
![](http://casabrutus.com/wp-content/uploads/2021/01/0127majahotel16_666.jpg)
ヘルシンキのアルヴァ・アアルトが内装を手がけた〈アカデミア書店〉内にある〈カフェ アアルト〉は、ファンにとっては一度は足を運びたいカフェに違いない。そのデザインを踏襲して登場した世界2号店が京都店だ。「カフェを愛してくれる人も多く、ポップアップを開くなどゆかりの深い日本に2号店を作りたかった」とオーナーのマルコ・サラチーノさん。〈カフェ アアルト〉だけが使用許諾を持つ黒いレザーと真鍮のフレームの椅子と木のテーブル、1957年に作られたウォールタイルを京都店のためにリプロダクト。ホテルとの統一感を出すべく床は木に、ハッリ・コスキネンデザインのチェアを組み合わせて温もりを感じさせつつも、大理石のテーブル、ゴールドに輝くペンダントランプ《ゴールデンベル》などをあわせ、本国のデザインを感じさせる新たな空間を作り上げた。
●メニュー例。朝食だけの利用も可能です。
![](http://casabrutus.com/wp-content/uploads/2020/01/0127majahotel11_666.jpg)
カフェのメニューは本国をベースにした、フィンランドらしさを感じさせてくれる内容に。シナモンロールはサイズもスパイス使いも現地のままに、パイやケーキは甘さを控えたものになっている。サンドイッチやパイなども揃うなかでも、人気は伝統的なサーモンスープ。朝から用意されているとあって、寒い日の朝食にもぴったりな一品だ。京都限定で用意されている朝食は、トーストにハムやチーズ、野菜、ジャムを添えたフィンランドの伝統的なブレックファースト「アアルト」のほか、クロワッサンにフルーツとチーズを添えた「詩人」など。宿泊せずとも朝からフィンランドを満喫できるものとなっている。
![](http://casabrutus.com/wp-content/uploads/2020/01/0127majahotel15_666.jpg)