September 10, 2019 | Design, Architecture, Art, Travel | casabrutus.com
インテリアスタイリストが街で見つけた素敵な空間を紹介する連載第8回目は、イタリア、ヴェローナの〈ビブロス アート ホテル ヴィラ アミスタ〉。歴史的建造物を改装し、ド派手なデザイン家具やアートで埋め尽くした、アレッサンドロ・メンディーニ監修のホテルです。
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こんにちは。今回はヴェローナ郊外にある美術館のようなホテル、〈ビブロス アート ホテル ヴィラ アミスタ〉をご紹介します。
今年の2月に他界した、イタリアのデザイン界の巨匠、アレッサンドロ・メンディーニがインテリアを監修したホテルで、全59ある客室に加え、ロビーやバー、レセプション、階段などの至るところに、個性的なデザイン家具と数多くのコンテンポラリーアートのコレクションが飾られているのが特徴です。
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まず到着して案内されるロビーには、高い天井を活かして設置された、大きなヴェネツィアン・グラスのシャンデリアが輝き、ヴァネッサ・ビークラフトの写真やマーク・クインのケイト・モス像のほか、アニッシュ・カプーアやダミアン・ハーストの作品を見ることができます。
椅子やソファには、メンディーニの代表作《プルースト》をはじめ、ガエターノ・ペッシェの《フェルトリ》や、エーロ・アアルニオの《ボールチェア》といった、日本では滅多に同じ空間に置かれることのない、オブジェ要素の強い家具ばかりが選定されています。ちょっとした待ち時間などに、これらの椅子の座り心地を比べて楽しめるのも嬉しいところです。
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ホテルを所有するのは、ファッションブランド〈ビブロス〉のオーナーで、館内に飾られているアートは、すべてオーナーの個人コレクションとのこと。また敷地全体が、15世紀に建築家のミケーレ・サンミケーリが建てたヴィラをベースにしたもので、現在のホテルは、18世紀にイグナツィオ・ペレグリーニが設計した建物を改装しているそうです。
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2005年のオープンに合わせて、メンディーニが内装をデザインした際、16〜17世紀に置かれていた一部の家具を再利用し、ファブリックを張り替え、本体にカラフルなペイントを施すなどしてネオバロック様式に統一。今もロビーや客室の家具としてコーディネートされています。
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建物内のどこに行っても濃いデザインとアートの連続ですが、敷地内には屋外プールなどを完備した豊かな広い庭園もあり、季節ごとの彩りで目を楽しませてくれます。滞在した5月にはアーチ状になった藤棚の花が満開で、とても綺麗でした。
ヴェローナには、カルロ・スカルパが設計した〈カステルヴェッキオ美術館〉もあり、〈ビブロス アート ホテル ヴィラ アミスタ〉からは、車で約30分の距離。イタリアの建築、デザイン好きの人には、セットで訪れることをおすすめします。