April 14, 2019 | Architecture | casabrutus.com
2016年、惜しまれながら閉館した〈旧神奈川県立近代美術館 鎌倉〉。あの名建築が3年の改修工事を経て、〈鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム〉としてリニューアループン!

建築家・坂倉準三の代表作であり、近代建築の保存に取り組む国際組織「DOCOMOMO」の「日本の近代建築20選」にも選ばれた〈旧神奈川県立近代美術館 鎌倉〉。2016年3月に惜しまれながら閉館したが、その後、建築は「神奈川県指定重要文化財」に指定され、保存が決定。3年に渡る改修工事を経て、今年6月8日から〈鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム〉としてリニューアルオープンする。

改修の基本方針は、オリジナルの姿を継承すること。バリアフリーや耐震補強を施しながらも、その姿は当時のままに残されている。大きく変わったのは中庭。かつてはイサム・ノグチの《こけし》が佇んでいたが、その際の敷石は開館後の改修によって変更された部分だったという。今回の改修ではその中庭が、玉砂利を使った洗い出し仕上げとなり、より坂倉のプランに忠実になっている。

6月8日の開館に先立って、4月20日〜5月6日には建築公開「新しい時代のはじまり」展を開催。図面や模型、改修工事の過程などが紹介される。今後は鶴岡八幡宮の所蔵する美術品や資料の展示を軸に、周辺の美術館とも連携を取りながら、展覧会を企画していくという。
日本のモダニズム建築の保存活動のためにも、足を運ぶことで戻ってきた名建築を盛り上げていきたい。